エムズ建築設計事務所

哲学者・久松真一氏が晩年に過ごした大正3年建築の住まいを、予約制で一般開放する「久松真一記念館」として整えました。座敷、仏間、茶室などがある１階、畳廊下と座敷を配した２階と、内観はほとんど変えず、耐震性と省エネ性を格段に向上させています。リビングダイニングも使いやすくつくり替えました。玄関の壁は「カビも風景」という現在の持ち主のお考えからあえて残しています。
茶室には久松真一氏による掛け軸、イサム・ノグチ本人から贈られたという岐阜提灯、西田幾多郎による『抱石庵』の書など、当時の交友関係や美意識が伝わる設えも随所に見られます。