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緑の家を見に行く~神谷義彦さん自邸、沢渡の家への訪問

先週のMs日記の続編として、去る10月23日実施の、Ms設計研修ツアーのリレー報告となります。

この日、10月23日は、「庭と住まい」を研修テーマに、神谷建築スタジオの神谷義彦さんを訪ね、愛知の高浜市周辺の、神谷さん設計の4つの住宅を見学させて頂きました。
神谷義彦さんは、岐阜県立森林文化アカデミーの第2期生。つまり私の教え子であるので、この先は 神谷君と書かせていただきます。(神谷さんと書くと別人のようなので、ご容赦ください。)

この日は、あいにく、雨の日の訪問になってしましました。

幹線道路からすこし入った住宅地の中に現れた沢渡の家。住宅の敷地というより、緑のエリアと言ったらいいような、そんな場所に到着します。
道路と敷地の境界があいまいな感じが、なにか懐かしさを感ずるのは、現代の宅地・庭のつくり方と少しちがった、私の好きな「農家の庭のような、はたらく庭」のありかたを醸し出しているからでしょうか。
まず、外部、軒下から庭を眺めます。
1.jpgここ、寝室のテラスから遠くに見えるのは、別棟の仕事場。神谷建築スタジオです。この広大な敷地にある200本以上の樹木は、5年かけて神谷君自ら、植樹したとのことです。
竣工時には、庭師さん(小笠原庭園)に高木植樹や地形づくりなど、庭の骨格を造って頂き、その後の庭づくりは、神谷君本人が行っているのです。
このような自力造園について、Facebookで、ちらちら拝見していて、「彼は自分で動いて、知恵や技術を獲得している人なんだな。」と、興味を持ったのが、今回の研修の発端にもなりました。
この日は、雨で、庭に水たまりができていたのも、神谷君がつくりたい庭が、表現されていて、雨の日でこその見学日和だったのでしょう。

2.jpgリビングのテラスから、見える仕事場。仕事場に通うための小道も見えます。
テラスのタイル先端近くには中低木があり、緑の優しいスクリーンに囲まれている安心感が得られているようです。

3.jpg真南に向くと、寝室の前のテラスにつながっていきます。
寝室の東窓の1間先に桁とそれを受ける柱があり、軒も1m以上出ているので、ゆったりとした軒下空間ができています。
こんな雨の日も、外に出て、ベンチに座ってみたくなりますね。
また、南の隣家の瓦屋根を借景にして、庭の奥行がぐんぐん深く。豊かさが増していきます。
4.jpg内部に入ってテラスを見ます。ここからは寝室の窓も見えます。
リビング・寝室のテラス窓は、どちらもアイランドプロファイル社の木製サッシで、温熱環境もしっかり考えられています。
確かに、岐阜県立森林文化アカデミーでは、開学時から、野池政広さんを講師に招き、住宅の温熱環境・省エネについてしっかり勉強していましたから、神谷君の温熱環境に関する意識も高いのはうなずけますが、卒業後すぐ独立して実践を重ね、自分で研究、工夫、そして努力していることがうかがえました。
5.jpg内部は、断熱性能・気密性能も考えたうえでの薪ストーブ。
軽やかなデザインのストーブがかなり活躍していることは、玄関先の薪棚が物語っていますが、それも職住近接の生活が可能にするものです。
新型コロナによってもたらされた「新しい生活様式」で、多くの夫妻が食住近接になり、薪ストーブを主暖房にして、暖かい家で家族が集まる暮らしが広まると良いなと思います。

6.jpg室内は、構造材が力強く表れる真壁の空間。
使いやすそうで、ゆとりあるキッチンやダイニングから、ゆったりと庭を見ることができます。

7.jpgダイニングからリビングそして、つきあたりの、小上がり4畳の小部屋越しには、西の庭が見えます。8.jpg寝室には絶妙な低さのベッドが。
神谷君作ということで、隅々まで確かめるMsの上野君。
マットの下は、スノコ状にしているなど、とてもよく考えられています。

9.jpgひととおり見学させていただいた後で、リビングのTVモニターの前に集まり、ミニレクチャーをお願いしました。 私のリクエストに応えて頂き、神谷君の設計方法、大切にしていることなど、また作図術などまで、細かくお話していただいています。

今回Msスタッフ以外に参加した、写真奥の梅田宗春さん(梅田工務店)、左の水谷賀一さん(フロー建築設計事務所)も興味津々に聴いています。

写真右手は神谷君。そしてMsスタッフ以外でもう一人の参加者、船木絵理子さんは手前で私と並んで聴いています。

10.JPG今回のもう一つの研修テーマ。私の中では、「真壁志向の仲間づくり」が目的でもありました。神谷君は、MsのOB以上に真壁を貫いていることが嬉しい存在なのです。

私も(故・三澤康彦氏もですが)真壁派として、質実剛健そして優しさ、美しさを兼ね備えた木造の住宅をつくっていきたいと思っていて、そんな仲間がいることを確認した一日でもありました。

(三澤文子)

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