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3本のヒノキ

Ms日記をご覧の皆様、こんにちは
今週のMs日記は 新入社員・中尾が担当いたします。

IMG_7135.JPG昨年11月末、住まい手のご家族とMsスタッフ(三澤・宮本)が、奈良県川上村にある山へ登りました。
構造材として使用する、ヒノキの伐採を行うためです。その山は、住まい手の「ひいおじいさん」が所有されています。
いとこの東辻秀和さんが、ひいおじいさんの山守(やまもり)をされていて、伐採したヒノキを住まい手にプレゼントしてくださいました。

*気が付けば山 (←詳しくは、過去の記事。)

こんな親戚の思いが詰まったヒノキを製材してくださるのが、阪口製材所(奈良県五條市西阿田町)です。阪口さんを訪問した様子を、今週の記事といたします。

IMG_7139.JPG「ひいおじいさんの山」から住まい手が厳選したヒノキの丸太3本です。年輪の数は150を超え、元口から末口までほぼ真っ直ぐに伸びています。専門用語では、「通直」な丸太といいます。150年という、人類は到達できない年月、山守の人たちが世代交代しながら大切に育てた証です。

真ん中の丸太は、なんと6メートル超です。構造材としては一般的な材長ですが、まだまだ木を見慣れていない私にとっては衝撃を受ける長さです。写真から見てもこの立派さは一目瞭然です。
この丸太が、実際に住空間を支える柱になることを想像すると"木"を使用する贅沢さを肌で感じます。

IMG_7129.JPG阪口製材所・所長の阪口さん(左)と三澤・スタッフ宮本が設計で使用する木の寸法と本数を確認しています。
IMG_7158.JPG今回物件の軸組模型は、私、中尾が担当しました。これは模型の精度が悪いと御指摘を頂いている時の写真です。多少のご愛嬌願います。
木拾い表と併せて軸組模型も確認しながら必要木材を割り出します。

伏図、矩計図(かなばかりず)を読み取りながら3Dの軸組模型を造る
この作業が木造建築の理解を一気に深めます。

IMG_7142.JPGこちらはヒノキ断面です。ここから木取りをし、柱、梁、板に生まれ変わります。
木取りは、必要な寸法の材を製材する作業です。余りが出てしまいます。

「丸太の長さ1メートル以上余ったら、束に使うので残して置いて下さい。それでも余ったら、プレカット工場に持っていきます。」と文子さん。
素材を無駄にしない、Msのこだわりを感じます。

IMG_7164.JPGこちら製材された木を「桟積み乾燥」という方法で天然乾燥させている様子です。古くから伝わる方法で、板に桟を挟んで風を通し、乾燥させます。

「この桟の厚みが絶妙に良いんだよ」と文子さん。
IMG_7165.JPG雨に打たれて黒くなった桟積み乾燥中の木材です。乾燥中なのに雨に打たすの?と疑問に思いますが、木材内部に含まれる結合水という水分が抜けやすくなります。
結果、材のアクが抜けてより香りが出ます。実際黒くなるのは表面だけで数㎜カンナを掛けると内部の色味は綺麗だそうです。特に赤身の部分は人工乾燥に比べ、断然赤みが増し、化粧材として使用されます。

「良い住空間を提供するには木の香り、色味などもこだわっていきたい」と阪口さんのお話を聞けました。

この物件の着工は来年の2月、上棟は来年の5月です。約1年間、このヒノキ達も自然乾燥に仲間入りします。
良い構造材になること、間違いなしですね!

IMG_7123.JPG敷地内を散策・・・
何かを発見しました。余った丸太を植木鉢代わりに使っています。製材所ならではの発想に斬新さを感じました。
キノコが生えて可愛らしいです。
IMG_7153.JPG製材所ならではの、木の良い香りが敷地内に広がります。
IMG_7152.JPGきっちり整理された木材倉庫です。中には10年間天然乾燥させている木があるそうで、素材の大切さが身に沁みます。

私自身、木造建築に愛着が湧きますが、その根拠は漠然としていました。木はたくさんの人のこだわりや手間暇が多く掛けられていることを、身をもって知りました。製材所に足を運び、山守の仕事を知り、森の尊さを感じ、丸太1本1本のルーツを知ることで、木造の魅力が分かった気がします。

私事ではありますが、入社して1か月が経ちました。これからも時々Ms日記に登場します。その時は私の成長を発信できたらいいなと思っております。
ご精読ありがとうございました。

Msスタッフ・中尾

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