実家のトイレリフォーム

故・三澤康彦さんの実家から「絨毯敷の廊下がブヨブヨしてきたので板敷にしたい。」との連絡を受け、早速、様子をうかがいに阪南市まで。「この際、トイレをリフォームしたら?」と、半ば強引に提案したところ、あっけなく合意がとれました。さらに「玄関土間を広くして、簡単な応接が出来るようにしたい。」という要望が膨らみ、張り切って速攻設計、そしてコアー建築工房さんに忙しい昨年師走の3週間で、これも速攻工事をして頂きました。

実家は築48年、当時流行った(?)RC造です。
玄関は当時、これも流行りだったガラスブロックの明り取りが広範囲にあって明るい玄関です。
玄関土間は、1坪くらいの広さで、絨毯敷のホールも広々していました。

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そのホールを鉄平石貼にして土間を延長し、離れにあった、男の椅子(モノ・モノ)と三澤氏デザインの丸テーブルを置きました。正面の窓の前にはベンチがあります。
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玄関ホールと、廊下・階段を仕切る格子戸も入れました。
さて、問題のトイレ。初めて実家を訪問した35年程前から、「学校のトイレ」みたいなこのトイレを、「何とかしたい。」という欲望に駆られていたのですが、やっと念願がかなった訳です。
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廊下からは、100mmほどの段差があり、トイレの下駄(実際はサンダルですが)に履き替えて。というのは、足腰の悪い高齢者が使用するには、厳しいものがあります。

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そこで、廊下の床高をそろえて、踏み込みをつくりました。
床材は、廊下と同じく、クリのフローリングです。
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全てタイル仕上げだった壁は、杉板と珪藻土に。トイレの中の床は600角のタイル、天井は柿渋紙を貼っています。
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トイレ内には、義兄の、譲れない希望としての小便器がありますので、便器に座った際に、その小便器が丸見えにならないように工夫しています。
鏡はogumaの大橋君から調達し、手洗い鉢の定番ITOIボールは、陶芸家の糸井康博さん作です。
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足腰の悪い義母が使いやすくと、手すりの高さにも気を使いました。
お正月の宴会の際に介助してトイレに連れて行った際には、褒めてもらいはしませんでしたが、ダメ出しが無かったのは褒められたことだな。と思い、うれしくなりました。

下の写真は 改修前のトイレの個室、全体ではやけに広いのに、「何故?」と言いたくなるほど狭かったのです。
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当然シングルガラスのアルミサッシで、寒々としてみえます。

そこで、太鼓貼り障子を蔀戸にしたのですが、その開け閉めにステキな工夫があります。
下の写真は、蔀戸のつっかえ棒・兼マグネットキャッチ。

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こんな風に回転してつっかえ棒になります。
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蔀戸を開ける場合の角度は、洋便器に座った人の背中にあたらない位置。ということで決まります。
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つっかえ棒の先にはマグネットが。

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そして閉める際には、マグネットキャッチ。ということです。
これは、岡本建具店さんの平尾さんのアイデア。京都のマンションリフォームの建具と製作がかち合っていて、入念な打ち合わせ無し、だったのに、「蔀戸でお願いします!」という一言で、こんな風に。
そういえば、「40年来、必死で腰を入れないと開かなかった蔵の戸が、するする~と開く。」と大喜びしていた義姉。蔵の入り口の戸も、平尾さんに戸車を換えてもらい、速効解決いたしました。

最後に、トイレの見返しの ビフォア―・アフター
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よく見ると古い小便器、年代ものでしたね。
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早速、絵や、小物を飾ってもらい、優しいトイレ空間になりました。
念願がかない、とても嬉しい仕事で2017年を締めくくることができました。

三澤文子