漆塗りワークショップを行いました

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4月の下旬に漆塗りのワークショップを行いました。

場所は静岡県浜松市の北部。春野町にある石牧建築さんの工房です。

名前を「il bosco イルボスコ」と言います。

イルボスコとはイタリア語で’森’を表すとのことですが、文字通り森の中の工房といった風情で、

夏には蛍も見ることが出来る自然豊かな場所にあります。

石牧建築さんは大工の伝統技術である ’手きざみ加工’ を軸にしながら、

新しいチャレンジや大工育成等の技術継承を意欲的にされている魅力的な工務店さんです。

今回塗装するフローリング材は、MSDの設計、石牧建築の施工の住宅に使用する

ものになります。ワークショップにはお施主さんご夫妻を始め、石牧建築の大工さん、

材の仕入先であるフジイチさん、お知り合いの設計事務所の方々,MSDスタッフ等、

総勢18名がご参加頂きました。

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手前がワークショップの講師としてお呼びした沢田欣也さんです。石川県よりお越し頂き

ました。漆の多様な表現や塗装の際の注意点などご説明頂きました。

皆さん興味深々で色々な質問が飛び交いました。

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漆塗りの作業風景です。2人1組で、塗り係と拭取り係に分かれての作業です。

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お昼ご飯は、木の大テーブルを皆で囲みカレーを頂きました。

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自然の中で食べる食事は格別です。左手は現場監督の佐原さん、右手は大工棟梁の市川さん。

お二人共、カレーのおかわり中。あっという間に売り切れてしまいました。

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塗装した材は乾燥棚に並べて行きます。乾燥棚も石牧建築さんにて作成頂いたものです。

実はこれ、分解して持ち運びが可能です。MSDではこの移動式乾燥棚を使用して、

今後も漆塗りを様々な場所で行っていこうと模索中です。

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今回のワークショップでは漆を2回塗り重ねる所まで行いました。独特の光沢感が出ている

のが分かります。実際に使用する迄には、あと数回塗重ねを行っていく予定です。

今後、進行中の物件報告の中で進捗をお伝えしていきたいと思います。

スタッフ 池田

吹田市千里山 -改修工事-

吹田市千里山で手掛けていた改修工事。やっと一段落がつき改修としての上棟となりました。「(改修なのに)なぜ?」と思われるでしょうね。

改修前の屋根構造体。それはそれは、構造体の小屋組としてとても貧弱でした。それに長年の雨漏れにより、小屋組を補修するという段階ではありませんでした。それゆえ小屋組(屋根)をもう一度つくり替えました。それゆえの上棟式です。

上棟式での木造の構造が写っていますが、補強した新しい材料が多々目につきます。熊本での大震災。亡くなられた方々の多くが、2階建ての住宅が(倒壊により)1階となり、1階で休まれていた方々が圧死するという事態です。

私たちも21年前の都市型直下地震を体験しているからこそ二度と同じ間違いを犯さない様、木造を開発し実験して参りました。

再生した器(建物)、もう半世紀は使い続けることになるでしょう。

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西棟梁の花道です。

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羽根社長の発声で「おめでとうございます!」

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ご祝儀もいただきご満悦の社長です。

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構造模型(改修後)、外観模型(竣工)です。

 

三澤

W邸竣工いたしました【神戸市灘区新築住宅】

神戸市摩耶ケーブルの近くの住まい、昨年末に出来上がりました。施工は羽根建築工房です。年末はMsの物件3軒が竣工でした。監督和田さん、大工さんにはてんてこ舞いさせてしまいました。その内1軒が福島区のフクマチヤでした。オーナーが頑固一徹の男性で言うこと聞きません。(私三澤です)

W邸は奥様同士が姉妹でお隣同士です。この2軒共同じ工務店羽根建築工房、設計はMsです。

木材は智頭林業のサカモトです。同志です。究極の品質の杉と私は想っています。

いい産地、木材の条件、住まい手の生活まで分かる製材所

丸太を選別できる製材所

製材、乾燥、モルダー掛けに責任持てる製材所

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構造材の加工はもう10年以上お付き合いのあるコウヨウ(松阪市)、同志です。 羽根建築の大工棟梁西君、監督和田さんも同席して木配りです。本当に真剣な場面です。

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さて棟上の現場です。道が狭いこともあってなんと人力です。羽根建築さん、結構「人力」で棟上するのがお好きなようです。(冗談です)

大工総員10名ほどでなんと1日で上がってしまいました。設計者、住まい手は見物者ですから、見ていてとても迫力がありました。お隣のバルコニーは絶好の観覧席です。

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架構は少し変わっています。壁と屋根が斜めです。

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なぜかというとお隣同士が接近しているので、少し壁を斜めにするだけで圧迫感が回避できます。

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室内玄関土間です。

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ゆくゆくはここでカフェをします。土間は御影石、チークのテーブルが美しい。

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長い長いキッチン、ステンレスのバイブレーションです。

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2階から神戸港がよく見えます。大阪、二上山、金剛山も。サカモトの杉が美しいです。

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三澤

和歌山県田辺 伸栄木材に行ってきました

私の実家は大阪湾南部の漁村で、100mも歩けばすぐ海です。

そこではいつも船大工が4~5mの木造船を作っていて、

幼少のころ、じっと見ていた記憶があります。

先日、竹中道具館で木造船の展示を見る機会がありました。

手前味噌ですが、多分その木造船を作っていた影響が今の自分の職業に

影響しているのかもしれないと、半世紀たった今気づきました。


3月28日、梅の季節も終わり、春の陽気です。

和歌山県の南紀・田辺に行ってきました。

今回は大阪の南部、阪南市で行う民家の改修・修繕のため、

3か月前から材料調達をお願いしています。

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杉赤味の腰壁用の板800枚の検品です。

厚さ18㎜で製材しています。

天然乾燥後、表面をプレーナー掛けし、厚さ15㎜に揃えます。

押え縁の板も赤味で、白太はまったくといっていいほど噛んでいません。

この丸太、去年の冬場に集めてきました。

製材品には旬がありますので、例えば今から調達するのでは入手不可能です。

あと200枚追加し、1000枚もの板を使用します。

100年以上経過したその民家はシロアリにやられたり、

数十年前の増改築時に架けられた構造材がかえって腐っていたりしている状態で

床下の大引きは全て入れ替えます。

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このヒノキ、すべて赤味です。

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この民家の塀、延長100m以上ありそうです。

梁も一部入れ替えです。

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入れ替えを行う梁も全て赤味です。

人工乾燥ですが化石燃料を使わず全て木材の残材を利用したバイオマス燃料です。

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ヒノキはあまり得意とはしていませんが寺社仏閣用に依頼されている丸太も

段取りしています。


三澤

豊橋市福祉施設「実結の森」新築工事 竣工報告

桜のつぼみが開き始め、春の到来を感じる季節となりました。昨年9月より工事を進めておりました愛知県豊橋市の福祉施設「実結の森」が完成しましたのでご報告させていただきます。本工事は森林整備加速化・林業再生事業(林野庁)の採択を受けています。

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「実結の森(みゆのもり)」は重度の知的障害者の方が日中活動を行う施設(通所)です。

今回の依頼主は特定非営利活動法人「来夢(らいむ)」さん。豊橋市市内にある4か所の通所施設と2か所の入居施設を運営しています。

利用者さんが活動する場所を「木のぬくもりを感じる空間にしたい」ということでMSD三澤文子が依頼を受け、通所施設のうちの1か所「実結の森」の計画がスタートしました。

http://mok-msd.com/

施工は戸田工務店さん。地元で木造住宅や木造施設等を手掛ける有力な工務店さんです。

http://www.todasanchi.com/index.html

3月13日(土)には地域の方々や施設関係の方と一緒に、みんなで家具や床・建具の塗装を行いました。まずは三澤から建物の説明。大阪塗料工業の松岡さんより塗装方法の説明をいただき、早速作業スタート。

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今回使用した塗料は外壁板塗装でも使用した塗料「ユーロ(大阪塗料工業)」です。シナ合板の建具にはコンクホワイトという特注品のカラーを塗っています。通常のホワイトより白色顔料を多く含みます。

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テーブルや引き出しを塗装する利用者さんと職員さん。

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左写真は利用者さんの甥っ子さん。将来は建築の仕事をしたいとの事で今回のワークショップに参加してくれました。 右写真は木製格子戸塗装の様子。三澤も脚立に乗って作業です。

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右写真は建具塗装の様子。手が触れる部分は汚れやすいのでクリアーを塗ります。施設を利用する皆さんに塗ってもらうことでその後のメンテナンスにもつながります。

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みんなで塗装をして、建物の完成。

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完成した「実結の森」はこちら。茶色で塗ってある部分までが土足です。ベンチに座って靴を脱ぎ、下駄箱に靴を入れます。

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構造材は新城市の「杉生」さん。8寸の登り梁が迫力ある天井をつくっています。

福祉施設というと天井を不燃材で覆うイメージが強いですが、今回の建物は200㎡以内なので内装制限がかからず、いつもMSDで採用しているJパネル落とし込み構法で構造材・Jパネルを表しています。メインとなる作業訓練室に太陽の光がいっぱい降り注ぐようにするため、敷地の形状に対して建物を振って配置しています。

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床は岐阜トーモクセンターさんの桧本実板。写真右手側の畳が敷いてある部屋は「相談室」です。

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実結の森の建具はほとんどは地元河合建具店さんに製作いただきましたが、この木製格子戸は長野の建具屋さんが数年前に製作したもの。

素敵な格子です。

化粧梁はおなじみの漆職人沢田欣也さんに塗っていただきました。

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大きな調理室ではみんなの作業のひとつであるパンやお菓子づくりの準備を行います。

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左写真は多目的室の様子。薄り塗りの梁が印象的です。

右写真はシャワー室とユーティリティ。腰壁にタイルを貼り、壁の上部は杉本実板と浴室用のパネルを貼っています。

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右手側が玄関アプローチ。緩やかな勾配で玄関ポーチに上がっていきます。

外壁はの仕上げは下見板張りや土モルタル塗り等、ワークショップの手跡が残る外観です。

手前に大きく空間があいていますが、これはいずれ他の通所施設もここに移ってくる計画があるためです。増築時に対応できるよう多目的室(写真手前の建物)の高さを高くしています。

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外構の植栽はこれから。増築時のことも考慮しながら徐々に木を植えていく予定です。

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来週から新たらしくなった実結の森での活動がスタートします。地域材を活かした木の空間を多くの方にアピールしながら、みんなが楽しく活動を続けていけるよう、今後も影ながら応援していきたいと思います。

パンフA4巻3折(内)

スタッフ佐治