和歌山県田辺 伸栄木材に行ってきました

私の実家は大阪湾南部の漁村で、100mも歩けばすぐ海です。

そこではいつも船大工が4~5mの木造船を作っていて、

幼少のころ、じっと見ていた記憶があります。

先日、竹中道具館で木造船の展示を見る機会がありました。

手前味噌ですが、多分その木造船を作っていた影響が今の自分の職業に

影響しているのかもしれないと、半世紀たった今気づきました。


3月28日、梅の季節も終わり、春の陽気です。

和歌山県の南紀・田辺に行ってきました。

今回は大阪の南部、阪南市で行う民家の改修・修繕のため、

3か月前から材料調達をお願いしています。

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杉赤味の腰壁用の板800枚の検品です。

厚さ18㎜で製材しています。

天然乾燥後、表面をプレーナー掛けし、厚さ15㎜に揃えます。

押え縁の板も赤味で、白太はまったくといっていいほど噛んでいません。

この丸太、去年の冬場に集めてきました。

製材品には旬がありますので、例えば今から調達するのでは入手不可能です。

あと200枚追加し、1000枚もの板を使用します。

100年以上経過したその民家はシロアリにやられたり、

数十年前の増改築時に架けられた構造材がかえって腐っていたりしている状態で

床下の大引きは全て入れ替えます。

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このヒノキ、すべて赤味です。

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この民家の塀、延長100m以上ありそうです。

梁も一部入れ替えです。

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入れ替えを行う梁も全て赤味です。

人工乾燥ですが化石燃料を使わず全て木材の残材を利用したバイオマス燃料です。

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ヒノキはあまり得意とはしていませんが寺社仏閣用に依頼されている丸太も

段取りしています。


三澤

豊橋市福祉施設「実結の森」新築工事 竣工報告

桜のつぼみが開き始め、春の到来を感じる季節となりました。昨年9月より工事を進めておりました愛知県豊橋市の福祉施設「実結の森」が完成しましたのでご報告させていただきます。本工事は森林整備加速化・林業再生事業(林野庁)の採択を受けています。

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「実結の森(みゆのもり)」は重度の知的障害者の方が日中活動を行う施設(通所)です。

今回の依頼主は特定非営利活動法人「来夢(らいむ)」さん。豊橋市市内にある4か所の通所施設と2か所の入居施設を運営しています。

利用者さんが活動する場所を「木のぬくもりを感じる空間にしたい」ということでMSD三澤文子が依頼を受け、通所施設のうちの1か所「実結の森」の計画がスタートしました。

http://mok-msd.com/

施工は戸田工務店さん。地元で木造住宅や木造施設等を手掛ける有力な工務店さんです。

http://www.todasanchi.com/index.html

3月13日(土)には地域の方々や施設関係の方と一緒に、みんなで家具や床・建具の塗装を行いました。まずは三澤から建物の説明。大阪塗料工業の松岡さんより塗装方法の説明をいただき、早速作業スタート。

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今回使用した塗料は外壁板塗装でも使用した塗料「ユーロ(大阪塗料工業)」です。シナ合板の建具にはコンクホワイトという特注品のカラーを塗っています。通常のホワイトより白色顔料を多く含みます。

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テーブルや引き出しを塗装する利用者さんと職員さん。

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左写真は利用者さんの甥っ子さん。将来は建築の仕事をしたいとの事で今回のワークショップに参加してくれました。 右写真は木製格子戸塗装の様子。三澤も脚立に乗って作業です。

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右写真は建具塗装の様子。手が触れる部分は汚れやすいのでクリアーを塗ります。施設を利用する皆さんに塗ってもらうことでその後のメンテナンスにもつながります。

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みんなで塗装をして、建物の完成。

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完成した「実結の森」はこちら。茶色で塗ってある部分までが土足です。ベンチに座って靴を脱ぎ、下駄箱に靴を入れます。

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構造材は新城市の「杉生」さん。8寸の登り梁が迫力ある天井をつくっています。

福祉施設というと天井を不燃材で覆うイメージが強いですが、今回の建物は200㎡以内なので内装制限がかからず、いつもMSDで採用しているJパネル落とし込み構法で構造材・Jパネルを表しています。メインとなる作業訓練室に太陽の光がいっぱい降り注ぐようにするため、敷地の形状に対して建物を振って配置しています。

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床は岐阜トーモクセンターさんの桧本実板。写真右手側の畳が敷いてある部屋は「相談室」です。

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実結の森の建具はほとんどは地元河合建具店さんに製作いただきましたが、この木製格子戸は長野の建具屋さんが数年前に製作したもの。

素敵な格子です。

化粧梁はおなじみの漆職人沢田欣也さんに塗っていただきました。

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大きな調理室ではみんなの作業のひとつであるパンやお菓子づくりの準備を行います。

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左写真は多目的室の様子。薄り塗りの梁が印象的です。

右写真はシャワー室とユーティリティ。腰壁にタイルを貼り、壁の上部は杉本実板と浴室用のパネルを貼っています。

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右手側が玄関アプローチ。緩やかな勾配で玄関ポーチに上がっていきます。

外壁はの仕上げは下見板張りや土モルタル塗り等、ワークショップの手跡が残る外観です。

手前に大きく空間があいていますが、これはいずれ他の通所施設もここに移ってくる計画があるためです。増築時に対応できるよう多目的室(写真手前の建物)の高さを高くしています。

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外構の植栽はこれから。増築時のことも考慮しながら徐々に木を植えていく予定です。

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来週から新たらしくなった実結の森での活動がスタートします。地域材を活かした木の空間を多くの方にアピールしながら、みんなが楽しく活動を続けていけるよう、今後も影ながら応援していきたいと思います。

パンフA4巻3折(内)

スタッフ佐治

ある日の フクマチヤ ~夕方~

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2月は千葉工業大学から小林美砂さん、河野祐子さんがMSDとMsへインターンシップに参加され

熱心に建築を学んでおられました。 


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今日は河野さんが東京へ戻るので、フクマチヤでは三澤文子さんとスタッフが夕方にピザをいただ

ました。

インターシップは「あっという間でしたが、夢中でした!」と充実した言葉が印象に残りました。

夢中で出来る事を続けて頂きたいと願います。

またお逢い出来る日を楽しみにしています!


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写真のピザはJR福島駅近くの ルーチェさん (スタッフが好きなピザ)

フクマチヤのある大阪福島界隈には美味しくて気取らない料理店がたくさんあります。

遠方からフクマチヤへお越しの際は、美味しいお店もお尋ねください!

(Msは千里ですので場所のお間違いにご注意くださいませ)

2人のインターンシップ生を見送り 少し寂しいですが、今月は関西学院大学大学院の辻本和也さんが引続きインターンシップ中です。
Ms、MSDにてインターンシップに参加されたい方はこちらからご参加いただけます。

その他MSDでは塗装などのワークショップも開催されますのでご興味ある方は是非ご参加ください。

スタッフ新井

木材検査-埼玉K邸改修工事(長期優良化リフォーム採択物件)

立春から3週間程経ちますが、肌寒い日もあり気が抜けない天候ですね。風邪も流行っているようですので、季節の変わり目、体調管理にお気を付けください。

 

さて、昨日行った木材検査の様子をご紹介したいと思います。その前に物件のご紹介から(Ms日記初登場になります)。

現場は埼玉県のK邸改修工事。何と扠首構造の築340年以上の物件です!扠首組は白川郷で有名ですが、実際に住まわれている建物で扠首組の住宅を見たのは初めてかもしれません。(市役所の方も、管轄内に扠首組の建物があるの?と驚かれていました)代々、大切に住み継がれてきた住まいの改修工事ということで"住まいのお医者さん"なる「住宅医(住宅医協会)」のお仕事をさせて頂いています。

現況:扠首組の屋根

△既存小屋組みの写真


現場打合せの様子

△解体現場で棟梁と三澤の現場打合せの様子


現場は解体工事から基礎工事へと進んでいる状況ですが、昨日木材検査に行って参りました。今回は彩の森とき川さんで段取りして頂いた"ときかわ材"の構造材です。

材料検査の様子今回は横架材のみの検査になりましたが、検査が行いやすいように敷地全体に全量並べるだけでも4時間かかったそうです。梁成360の6M材、なかなかな迫力です(上の写真)。


ヤング率測定の様子 ウッディーくん

検査は含水率とヤング率の計測で行いました。 ↑こちらの写真はヤング率測定の様子です。ウッディーくんという計測機器を用いて端部をハンマーで打診し、もう片方で振動数を測定することでヤング率を計測するものです。概ね良好な結果でした。


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今回の材は人工乾燥材ということもあり、含水率測定の結果では平均16.3%と優秀でした。今回の検査では、ご同行頂いた方のご協力もあり2班に分かれてスムーズに検査を行うことができました。「木材検査ではどんなことをするのか」と東京の設計士さんも同行されていました。



来月には、場所を工務店の作業場に移し木配りを行う予定です。築340年の住まいに新たな息吹を吹き込む一翼を担っていることに感謝し、気持ちを引き締めて現場監理していきたいと思います。

 

スタッフ 平賀

竣工です

昨年9月から着工している豊中市内の小住宅、宅地25坪(一軒家が分筆されていて2分割の1つを住まい手が購入)、2階建の延床20坪ほどの小住宅です。Msの体験型住宅、胡桃山荘の兄弟のようなスタイルです。もちろんこの施主にも「胡桃山荘」に宿泊していただきました。全て履歴のある国産材でできています。DSC_0691

外壁は和歌山 赤杉、格子もです。製材されたままのラフ仕上げです。敢えて何も塗りません。赤味の杉は耐候性が高いのです。10年も経てばいい按配に日に焼けてグレーになってくるでしょう。

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建具の格子、杉柾目は秋田杉、私が現地までゆき購入してきました。一般の設計者、杉と言えば赤白の色目のうるさい節の多い杉を連想しますが、この外壁ピカイチです。何の塗装もかけないでこの美しさ、大工も惚れ惚れです。(Msの支給品です)

左お隣も分割して個人住宅がほぼ同時に立っています。ほとんど新建材で構成された個人住宅でした。(いい意味ですよ!!)

玄関ホールは案外広いのです。土間タイルと床Jパネルの対比が美しい。

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2階が主の居室です。

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西側に空中バルコニー付のLDKです。市内では珍しく溜池に面しています。眺望がとてもいいのです。工事中も西側からの心地よい風が建物の中を通り抜けます。断熱性、気密もとてもよいのでペレットストーブ1台で寒い1月,2月を過ごすことができる住まいです。

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2階の床は岩手県産100年生の唐松を製材し、赤身のみのフローリングに加工してあります。白太が全くと言っていいほどありません。

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住まい手がお好みの業務風のキッチンです。オールステンレスです。壁もヘアラインのステンレスを建築工事で貼っています。

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街路側に格子の出室になっている内部がこれです。仕事机となっています。

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2階が居間なので空中バルコニーから西庭に直接降りられる外部階段があります。デッキの床は木曽五木のサワラです。ほとんど節がありません。

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この階段、これも拘っています。

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屋外なので雨に打たれても強い材、踏板はJパネルです。そしてデッキは長持ちするディテールです。亜鉛メッキの施した角鋼管パイプです。

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三澤康彦