木の住まいをデザインする建築設計事務所

Ms日記

漆塗り実習に行ってきました :2015年11月26日

11月の18日、19日と2日間に渡り、岐阜県美濃市にある森林文化アカデミーを訪れました。
Ms、MSDは毎年のこの時期にアカデミーの漆塗り実習に参加します。
講師は沢幸漆店の沢田欣也さん。多くの設計案件でもお世話になっている方です。
先ずは座学から。アカデミーの生徒さんと一緒に漆についての理解を深めていきます。

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続いて、漆塗りの生活道具を手に取りながら、塗りの技法や表現の多様さを学びます。

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塗りの方法は大きく分けて2種類。
ぽってりと表面に乗せる様に塗る「造膜」と、表面に塗り込む「含浸」があります。
木以外に鉄に塗ることも多く、錆止めの効果もあるとのこと。
表情の豊かさに見とれてしまいます。

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写真は名栗を施した六角形の大黒柱と、矢羽名栗を施した付梁。
Ms、MSDの設計案件に納まる材です。これに加え、サワラの本実板、廻り縁を持参しています。
実際に使う材を実習教材として提供することで、アカデミーの学生さん達の経験値になり、
住まい手さんには塗装時のエピソードを交えてお話することで、より愛着をもって貰えるのではないかと思います。
運搬の手配など、時間・労力は掛かりますが、それ以上に繋がりが広がること、
住まい手さんに喜んで頂けることには大きな喜びがあります。

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漆塗りの前に、べんがらに柿渋を加えたもので着色をしていきます。綺麗な朱色です。

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大黒柱への着色。慎重に塗り進めて行きます。

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続いて漆塗りです。生漆の色は琥珀色。ほんのり甘い香りが漂います。
この日のお天気は雨でしたが、漆塗りには良い環境。漆は適度な温・湿度でないと乾きません。
漆が硬化するには温度が24℃~28℃、湿度が70~85%程が良いとされています。

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材全般のべんがら着色と、柱・付梁に漆を1回塗りしたところで、1日目の実習が終了。

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その後、アカデミーの生徒さん達が、夕食を振舞ってくださいました。
講師の方々、生徒さん、Ms、MSDメンバーの総勢15名でテーブルを囲み、
ご当地の食材やお酒を楽しみながら、建築やものづくりの話に熱が入ります。
気付けば、日を跨いで25:00!皆さんタフです。(笑)
明日はひたすら漆塗りに向き合います。

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2日目の実習。Ms三澤の帽子が、シンボルカラーの赤に変わっています。気合い十分です!

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漆の塗膜越しにも木目がしっかりと見える様に、「拭き漆」という技法をとっています。
漆を塗り付けた後を追いかけながら、余分な漆を拭き取っていく方法です。
拭き残しが無い様に入念に拭いていきます。

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塗り終えた材は、湿潤状態を保った室(ムロ)にいれ、乾かしていきます。

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生徒さんの作品も仕上がってきました。
思わず手に取りたくなりますが、乾くまではぐっと我慢です。

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↑大黒柱:3回塗り    

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↑付梁:3回塗り ↑サワラ本実板:2回塗り

大黒柱、付梁は3回塗り、サワラ本実板は2回塗りです。
「節の目立つ材も漆を塗ることにより、格のある姿に様変わりする」とはMSD三澤文子の談。
漆の光沢、弁柄色、木目が相まって、とても美しいです。
これで2日間の実習が終了です。
材はこのまま乾かし、後日引き上げることになります。
MSDスタッフIがひそかに忍ばせた、お箸の出来上がりも楽しみです。

追記

アカデミーの先生方、生徒さん達には本当にお世話になりました。
貴重な時間を共有できたことに感謝しております。
久津輪先生の撮影された写真がとても綺麗で、勝手ながらこの日記にもたくさん使わせていただきました。
重ねてお礼申し上げます。

スタッフ:池田

 
 

豊中のK邸 薪ストーブ火入れ式 :2015年11月10日

先週末、今年の5月末にお引渡しした豊中のK邸にお伺いしてきました。

今回の目的は薪ストーブの「火入れ式」。いみじくも11月8日の「立冬」に火入れ式を行ってきました!

<過去のMs日記>
住つなぐ(1月9日投稿) ・屋根工事(2月7日投稿) ・竣工報告(6月26日投稿)

 

薪は数日前に監督の和田さんに運んでもらって準備万端です。住まい手のKさんのご要望で「是非火入れ式は三澤さんに!」とのことで火付け用の段ボールにミニ斧持参でK邸に取り込みました!「職務質問されないかとヒヤヒヤした(三澤 談)」とリュックの底の方から引っ張りだして早速着火です。 


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初めて使用する際にはしっかり換気を行いながら煙突からの煙を出し切ります。本格的な寒さにはなっていないので、薪をくべると少し汗ばむ陽気でしたが、やはり火入れ式らしく火を囲みながら楽しい時間を過ごさせて頂きました。


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というのも、火入れ式と合わせてKさんご夫妻が「工事のお礼」ということで監督の和田さん、大工さん5名、Ms三澤と担当の私をご招待頂いたのです。途中からOMソーラーの中村さんも合流し、Kさんご夫妻と総勢11名!


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シャンパンで乾杯し、白ワインに赤ワイン、奥様”Kさんご夫妻”の手料理と至れりつくせりの5時間はあっという間でした!ハムにきのこのソテー、野菜のマリネ、リゾット、パスタにコトレッタ、次から次へと手料理が運ばれてきて楽しい会話と美味しいお料理についつい飲みすぎ&食べ過ぎた人も多かったと思います。

追記:イタリアではパーティーで家の主人が得意の一品料理を作って振る舞うことが良くあるそうです。それにならってご主人も話題作りに、とつくられるようになったそうです。今回のリゾットと牛肉キノコマリネはご主人作だったそうです!「キッチンも広く、より使いやすくなり、最近は後片付けを手伝ってくれる様にもなりました!」と奥様から嬉しいメールも頂きました。片付けまでが料理、ですね。Kさんご夫妻並んでキッチンに立ってらっしゃる姿が印象的でした。

 


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海外駐在経験のあるKさんは行き先々で記念にと集められてきた小物やお皿、グラスなど沢山紹介して頂きました。これまでのKさんの履歴がしっかりとご自宅の中に根付いています。(改修工事中に「これまでの履歴として」梁のしゃくりなどはあえて残しておきたい、とおっしゃったKさんの言葉を思い出していました)


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そして最後にはイタリアの風習で食後酒にと勧められたのがグラッパ。聞けばアルコール度数40度ぐらいのきついお酒だそうで、イタリアの人たちは「これを最後に流さないと二日酔いする」と言って飲むそうです。20年ものの貴重なお酒を出してきて頂き、最後にみんなで乾杯してお開きとなりました。


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引渡しをするとそのあとはメンテナンスなどでお伺いするだけのことが多いので、今回のようにゆっくりと住まい手さんや現場を担当して頂いた大工さんたちのお話しを聞ける貴重な時間をご準備頂けて感謝いたします。予想以上に太陽光発電の売電があった、夏場よりも10月の方が売電量が多かった、床下エアコンの具合、などなど実体験をお聞きできたので、今後の参考にしていきたいと思います。今回は改修工事でOM ソーラーを導入した(詳細は過去Ms日記)のでこれからの冬場の実測値が気になるところです。

 

これから本格的な寒さを迎えるにあたって、Kさんにも薪ストーブライフを満喫し、断熱性能を体感して頂けると思います!
もちろん冬場の温湿度計測も忘れずに。。。


スタッフ 平賀

 
 

豊中市Y邸 上棟【新築戸建住宅】 :2015年11月 3日

今年2月に敷地調査を行ってからおよそ8ヵ月が経過し、10月3日に工事着工・地鎮祭を迎えました。

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この敷地は東側に前面道路、西側には溜池、東西方向に採光・通風が期待できる立地です。そして間口6.5M、奥行14Mと非常に細長い形状をしています。

施工はコアー建築工房です。Msとは数多くの仕事をしており、大工さんのレベルも非常に高く毎回丁寧な仕事をしてくださいます。

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天気にも恵まれ秋晴れのもと無事に地鎮祭を行うことができました。

Y邸は総2階建て、延床約20坪の非常にコンパクトな住宅です。コンパクトながら内部空間は木材現しで心地よく、動線は階段室を中心に回遊できるプランとなっています。構造も非常にシンプルです。Msではどんな住まいでも必ず軸組模型(S=1/30)を製作します。柱・梁が現しとなる空間では、構造体の見え方が美しく、同時に構造的にも丈夫で安定したものが求められます。プランニングと構造体(軸組)はセットなのです。

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9寸(成270㎜)の梁材です。今回の構造材は和歌山県の伸栄木材さん。綺麗な材ばかりで木配りのときにもこちら側を悩ます材が非常に多く、贅沢な悩みです。

プレカットはお馴染み松阪市のコウヨウさん。全ての材を並べて材の特性を見極めながら木配りを行っていきます。 コアー建築工房の現場監督貝渕さん、川上棟梁にも参加いただき、材1本1本全てに番付を行います。

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番付用の画板です。どこが化粧で見えてくるのか、どこをメインで見せたいのか、一目瞭然に把握できるように事前に段取りをしておきます。全て黒く塗り潰した段階で、番付(木配り)完了です。

10月31日、建て方です。晴天の中、7名の大工さんが棟梁を中心にテキパキと組み上げていきます。1日で垂木掛けまで終了です。最後は雨養生のためシートを張っています。

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今後は1月末の竣工へ向けて順次工事を進めていきます。現場進捗状況も随時お伝えしていきますので、お楽しみに。

スタッフ 中根

 
 

伊丹市T邸、木材検査に行ってきました。 :2015年10月16日

田んぼの稲穂が黄金に色づき、稲刈りの風景が各地で見られる季節となりました。
 
伊丹市の新築住宅T邸。35坪程の平屋建てです。
昨年12月から計画が始まり、来週からいよいよ工事が始まります。
 
今日はMs日記でもおなじみのプレカット工場(株)コウヨウさんへ行き、プレカットの打合せと木配りを行ってきました。
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今回の担当していたいたのはコウヨウの池山さん。
施工はコアー建築工房さん。現場監督の貝渕さん、棟梁の渡利さんも集合し、接合部や屋根納まり等の詳細を打合せしました。
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構造材は和歌山県の伸栄木材さん。
和室廻りの化粧柱等大変綺麗な材を揃えていただきました。
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梁の木配りをしています。節の有無や木材の色目を見て番付けをしていきます。
梁の背・腹は渡利棟梁に判断していただき、背を上にして材を並べています。
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T邸、少し過去の様子もご紹介させていただきます。
地鎮祭は住まい手さん主体でご準備いただき、お浄めの場所はご主人の手づくりです。
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土地の神様に工事の安全を祈願します。
 
下は木材検査の様子です。
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含水率の計測中。含水率はあくまで目安ですが、含水率が30%以上の材は乾いている材に交換していただきます。
 
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担当していただいた伸栄木材中谷さん。いつも丁寧にご対応いただき、ありがとうございます。
大変綺麗な材をたくさんご準備いただきました。
 
組みあがるのが楽しみです。
 
スタッフ佐治
 
 
 
 
 

大阪府吹田市-デイサービス施設 工事進捗 :2015年10月 1日

前回、地鎮祭までをご報告させていただきました大阪府吹田市のりぼんデイサービス施設

現場では着々と工事が進んでいます。

まずは基礎工事。

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平屋に限りなく近い規模のため、基礎の施工範囲は比較的広くなっています。

夕立の多い夏場のコンクリート打設であったため途中ヒヤヒヤする場面が何度もありましたが

無事、綺麗に打設することができました。

脱型後、基礎の表面に抗酸化リバースコートを塗布しました。

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基礎断熱工法とOMソーラーを採用している本物件。床下から吹き出す暖気をより

清浄な状態にし、免疫力が落ちたご老人の方によりよい空気環境の中で過ごして

いただけるよう考えています。

炎天下での塗装作業は普段行う屋内の塗装とは違い、過酷で大変な作業でした。

三重県コウヨウから構造材が届き、建て方へと予定通り進みます。DSC_1775

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途中、暑い中での作業をMs三澤がスイカを振る舞い、大工さんを労います。

スイカはあっという間に完売。日本の夏はやっぱりこれですね。

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デイサービス利用者が日中過ごすデイルームは北側に面して配されています。

北側に設けられた大きな開口からは、歴史的地区に指定されている木造家屋群の

瓦屋根と緑が一望でき、安定した北側採光が得られる心地よい場所となります。

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建物の大きさを抑え、周辺に圧迫感を与えないよう配慮しています。

今年は台風の 発生が多く、連続して晴れた日を狙うのが困難な状況でしたが、幸運にも

天候に恵まれ、お盆前までに棟上げできました。


お盆明けの8月24日に上棟式を行いました。

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「千歳棟~万歳棟~永々棟~」の掛け声に合わせて大工さんが槌打ちを行います。

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式後は場所を移し、ご厚意で直会を開いていただきました。

ライフサポートりぼんの皆さんの溢れるエネルギーを分けていただいたような

楽しく有意義な時間を過ごすことができました。

大工さん一人一人の顔と名前を憶えていただき、現場がより近くに

感じていただけたことと思います。


さて、このりぼんデイサービス施設は前回のMs日記に上げさせていただきましたが

森林整備加速化・林業再生事業」にノミネートされており、大阪府産材の積極的な

利用と普及に努めてまいります。

Ms三澤が主宰するMOKスクールの受講生を中心に、構造見学会を開催しました。

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普段実務で設計・施工に携われている技術者の方々が受講するMOKスクール。

それだけに見学会では、座学ではわからない細かな納まりや断熱の考え方、

構造材の架構と木材の見せ方など、マニアックな内容で、濃厚な時間となりました。

竣工見学会も開催予定ですが、隠れてしまう部分にも多くの設計における工夫や精神に

触れることができるので、皆様方それぞれ何かを得て帰られたことと思います。


竣工までにはまだまだ多くの工事がありますが、工事進捗等はMs日記で随時

更新していきたいと思います。


スタッフ戎野