梁の曲げ試験を行っています。

12月も折り返し地点ですが、岐阜県美濃市では晴れの日の日中はまだ暖かく感じられます。

 

森林文化アカデミーの施設にて、梁の曲げ試験を行っています。

まずは朝の準備体操から・・・

準備体操中 

早速、試験のほうに取り掛かります。写真は幅12cm、高さ30cm、長さ4mの梁です。材料はスギです。スギは木材の中でも軽い材料ですが、ここまで大きい材料は重さが50kgほどにもなり、一人で運ぶのは大変です。

材料運び材料を試験機へ  

試験機はMSD美濃のスタッフが操っています。

作業中

梁が下の写真のように削られているのは、Msの住宅のように、在来軸組工法の建物の骨組みを造るときに梁同士を木組みでつなぐため、このような切り欠き加工がしてあります。

試験前の梁

試験は梁の上から2点で荷重を加えていきます。徐々に荷重を大きくしていくと梁の中央部分がたわんでいき、加工部分に割れが生じたりします。

試験中の梁

最後は荷重に耐えきれなくなり、写真の様に切り欠き部分から折れてしまいます。材料に切り欠き加工があることにより、加工無しの材料と比べると弱くなってしまいます。建物の構造設計を行うときには、このような切り欠き加工を加味して設計をしていきます。

試験後の梁

木材は自然素材なので、木材一本一本の節の具合や木目などの表情が違うのと同様に、強度も一本一本違います。強い材料もあれば弱い材料もあります。それは試験をしなければ分かりません。

試験が終わった材料は電動のこぎりなどで切断していきます。試験を行う材料が多いので大変な作業になります。

解体中解体中2 

梁は木造住宅の非常に大切な部分です。試験を行うことにより様々な設計に活かされ、よりよい木造住宅が建っていったらいいなと思います。

(スタッフ:木下)

詳細調査に行って来ました。 西宮市T邸

近年、既存の建物に手を入れるリフォームのお話をいただくことが多くなってきました。

「作っては壊す」から「作ったものを活かす」時代へと変わってきた世の中の動きもあって、当然のことかもしれません。

今ある住まいを活かしていくためには、まず「知る」ことから始まります。

リフォームの前段階で、建物の性能を多角的に分析する詳細調査を行うことは、設計の手掛かりにするだけではなく、改修を住まいの一経験ととらえた時に、その履歴を残していくことが重要になってきます。

ということで、先週12月9日に西宮市にあります、T邸の詳細調査に行って来ました。

調査を行ったのは昭和4年に建てられた平屋で、2度の増築を経て、2階建ての住まいになっています。

昭和四年に建築家の手により建てられたそうで、とてもモダンなお住まいでした。

外観

内観

 

多岐にわたる調査の中から今回は設備診断について少し書かせていただきます。

主には、電気・給排水・ガス等の建物の一部である設備部分を対象としますが、テレビやエアコン等の家電・光熱費等も調べておきます。

そうすることで、改修前と後で電気代の増減を調べたり、履歴を残すことが出来るからです。

設備診断において最も力を入れるのが給排水設備です。

実際に水が流れたりする配管は、物が詰まったり、配管が抜けたりとメンテナンスが必要になってくる部位だからです。

長く住まいを使っていただくためには、メンテナンスを前提に考えておくことが必要です。

IMG_1157 IMG_1323

診断の為に、床下に潜って配管を調べたり、実際に水を流して桝の接続を見ては、現場を行ったり来たりと、なかなか大変です。

設備配管はやり替えたこともあり、とても綺麗でした。

床下も広く、配管の交換が容易に行えるだけの床下高さも確保されており、とても古い住まいであることを忘れてしまいそうになります。

調査を経て、一冊の診断書にまとめて住まい手さんにご報告します。

そのために、設備の診断書を頑張ってまとめたいと思います。

(スタッフ:戎野)

マンションの一室に漆塗りの大黒柱出現?!

師走に入り一気に寒くなりましたがいかがお過ごしでしょうか。事務所の庭木も剪定され、年越しの準備万端です。

今回は先月竣工したマンションリフォームのご紹介です。

築25年のマンションに竣工当初からお住まいのSさんは、現在ご夫妻の2人住まい。計画当初、現在のマンションを売って新たにマンションを購入しリフォームを行うか、または今のマンションをリフォームするか、Msにお話しがありました。結局、7月末からの解体工事にはじまり11月までの期間で現在のお住まいをリフォームすることになったのです。(約4ヶ月の工事期間。マンションリフォームとしては長期戦です!)

内装材を全て解体してスケルトン状態からのリフォーム内容は、

(1)天井・外部に面する壁・床の断熱改修

(2)窓の断熱改修

(3)浴室・トイレの改修

上記を中心に今後の住まい方の変化に対応できるプランニングを提案していきます。

皆さんのご想像通り、元々のプランはマンションによく見られる天井高さ2,200~2,300の居室が廊下を介して両サイドに位置するプランニングでした。4つの個室とリビングダイニング、水廻りという構成でした。マンションの管理事務所に保管されている竣工図面の閲覧をさせて頂いて、計画前から構造躯体・配管等を把握することができました。図面上では微量ながらも断熱材の確認も行いましたが、実態は、、、というと解体して初めて分かることです。普段目にすることのない箇所は確認のしようがありません。

いざ、解体開始。

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実はこのマンションは勾配屋根になっていて今回の物件は最上階の工事です。天井下地の軽量鉄骨と屋根スラブとの間には大きな空間があるのが分かると思います。 屋根スラブには図面記載通り、30㎜のスタイロフォームが施工されていました(さすが大手ゼネコンO!)。「下階の住人の方々以上に夏の暑さがきつい」、とSさん。屋根スラブに蓄熱された熱がこもってしまうので、マンション最上階にはよくある話です。

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天井懐には既存鉄管が数本渡っていました。この鉄管はマンション所有のものなので不要だからといって処分することはできません。多少の計画変更をして、対応していくことが必要です。

では、4ヶ月の工事期間を経た状態をご覧頂きましょう。

DSC_1550まずは玄関。左側下足箱横の独立柱がお迎えします。

その手前のクリの無垢板は

名栗加工(橘商店:大阪) に漆塗り(沢幸漆店:石川県小松市)を施した式台、

何とも言えない足触りです。

DSC_1520 思わず振り向いて見てしまいます。名栗の陰影が見事です。

写真左はタモパネルを壁材として使用しています。タモの手摺が取付けられていますが、どこでもビスがきくので今後追加で設置することも可能です。

床は唐松フローリング。唐松、漆(弁柄)、タモの「強演」です。

DSC_1477玄関右手のリビングダイニング。

壁面収納の杉パネル(白鳥林工) の源平のコントラストが白い壁に映えています。

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リビングの奥に進むと見えてくるのがキッチン。

と、その手前に見えるのがヒノキの大黒柱です!こちらも名栗加工(網代柄)に漆塗り。

この大黒柱、吉野発(製材)→大阪経由(名栗)→小松市訪問(漆塗り)→箕面市到着(現場)という長旅を経て、今こうして堂々とスラブを支えています!さすがの存在感です。(200角の3.2Mという大物はマンションのエレベーターに入るはずもなく、大工さん数名による「手上げ」が行われたことも特筆すべきでしょうか。)

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大黒柱を横目にキッチンを進んでふりかえった時の様子です。

「マンション路地」とでも言いたくなるような景色です。

今回の工事で外部に面する所には断熱改修を施したので、水廻りと1部屋を除く全ての居住スペースが連続しています。空気環境にムラをなくすことが目的です。奥の個室まで見通せます。

気になるのが正面上部の白い箱型。

これは例の天井懐に潜んでいた鉄管を囲んで、ちょっとした飾り棚にも使えるようになっています。解体後に発覚した状況にもうまく対応させる、それこそが改修における醍醐味です。

マンションの一室で木に囲まれた住まい。

シンがご趣味の奥さんが作られる裁縫作品とのコラボ風景も待ち遠しいところです。

 

さて空模様が気になるところですが、今夜は暖かくして久々の皆既月食を楽しもうと思います。

(スタッフ:平賀)

フィンランドからの来客

今日はMsの千里の事務所に来客がありました。今年9月のMsのフィンランドへの研修旅行の際にお世話になった鷹野さんです。フィンランドではアールト大学を案内してくださいました。

大学での研究の調査の為に日本に一時的に戻ってきた鷹野さんは東京や岐阜県などで聞き取り調査を行い、本日京都での調査で日本での調査を終えて帰国されます。

その前に大阪のMs事務所に寄っていただき、事務所の見学をして昼食を一緒に食べることになりました。 

 

写真 (6) 

昼食の準備の様子です。今日も三澤文子さんが中心になり料理をふるまいます。スタッフもお手伝いをして準備は万端です。 

 写真 (7)

 真ん中の男性が鷹野さんです。

初めてお会いするスタッフもいますので(私もです)自己紹介から始まり、フィンランドの気候の話、また肝心の建築業界のお話もしていただきました。自己紹介の特技の話は特に盛り上がり、スタッフ同士でも意外な一面を発見するとてもいい機会になりました。

今日の献立はなんとカニ鍋です。鳥取でJパネルを生産しているレングスさんからこれ以上ないほどのグッドタイミングで届いたカニです。とてもおいしかったです。またチキンのグリルや混ぜご飯も用意していて、食欲をそそり、料理はほとんどなくなりましたそしてコーヒーを飲んで落ち着いたところで京都の地球温暖化防止センターへ向かいます。

 

 

本日は温暖化防止センターの方、また研究テーマが今日のお話に近いということで参加をされました京都大学の院生の方、そして鷹野さんと私を入れて4人で温暖化防止センターの活動についてお話をしました。

写真 (8)

写真は「カーボンフットプリント」というものの写真です。カーボンフットプリントとは炭素の足跡という意味ですが、この製品が、材料を調達してきてから廃棄されるときまでに消費する二酸化炭素の量のことだそうです。この写真の集成材は、3mの長さの材料ですが、木を切ってきてから最後に捨てられるまでに12.1kgの二酸化炭素が排出されます。(このラベルを貼った時点から計算法に少し変更があったため正確な数値ではないそうです。)

このように温暖化防止センターでは様々な指標を利用して、京都の木材のPRをしています。これは活動のほんの一部で、他にも個人や中小企業の省エネの相談を受けたり、多岐にわたる活動をしています。

 

写真 (5)

写真の左が温暖化防止センターの方、右が京都大学の院生の方です。今日は珍しく机を若者4人で囲むことになりました(とは言っても平均年齢27歳くらいですが)。年齢が近いこともあり、小さいときに流行ったおもちゃの話が出たり、いつもとはちょっと感じの違う話し合いになりました。

同年代の人たちの知識・経験やそれぞれの活動に打ち込んでいる姿を見ると、自分ももっと頑張らねばと刺激を受けます。自分も負けないように三澤夫妻の下で早く一人前にならないといけない、と気を引き締め直しました。

スタッフ 日野

公開構造実験に行ってきました。

今年も残すところ2か月をきり、吐く息が白くなり始めた11月中旬に岐阜県立森林文化アカデミー住宅医ネットワーク主催の公開構造実験に行ってきました。

今回の構造実験では既存住宅の耐震性能アップにおける、小屋の水平構面の補強を想定した鉄筋ブレース金物の実験となりました。

公開実験とういことでしょうか。20名ほどの参加者が住宅医ネットワークのスタッフに実験の主旨・概要等の説明を受けました。

住宅医ネットワーク公開実験1  住宅医ネットワーク公開実験2

金物の特徴としては、規格品・既製品を中心とした金物であったり、直行する梁・桁の高さが異なる場合でも、取り付けを可能としていること等があるようです。

住宅医ネットワーク公開実験3 

住宅医ネットワーク公開実験4

上記写真は、試験体全体と隅角部の金物の取り付け写真になります。L型の金物が2枚組み合わさって取り付けられていることが分かります。

高さが異なる梁・桁の際にはこの金物の取り付け向きを変えるようです。

住宅医ネットワーク公開実験5 住宅医ネットワーク公開実験6

試験中には、上記写真のように住宅医ネットワークのスタッフにより、試験の経過状況や、金物・鉄筋の耐力について等の説明がありました。

住宅医ネットワーク公開実験7

住宅医ネットワーク公開実験8

こちらは試験後の試験体の写真と破断した鉄骨の拡大写真です。ピンと張っていた鉄筋が伸びきってしまったり、ちょうどネジ山の箇所が破断したりしていることがわかります。今回の公開実験ではあくまで試作段階とのことですが、実験の数値を用い適切に低減等を行う事で、実際の物件でも利用できるとのことです。今後も改良を重ねて利便性のよい金物になっていければと思いました。

(スタッフ:小松崎)