木部の塗装

3月も中旬に入り、暖かな日射しを感じる日も増えてきました。3月~4月は、新しい住まいへ転居される方も多い時期です。本格的な春の訪れを待ちながら、改めてご自身の住まいについて考えてみる良い時期かもしれません。


さて、本日は「木部の塗装」についてご紹介致します。

Ms・MSDでは、木部の塗装を「自ら」行うことがあります。木の住まいでは、メンテナンスにおいても木部の塗装が欠かせません。先月、ある物件で行った木部の塗装の事例をご紹介します。


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塗装道具は、パレット・コテ刷毛(写真中央)・刷毛(写真右)の3点セットを基本としています。

コテ刷毛は、広い面積を塗る時に重宝しています。刷毛目(はけめ)も無く、軽い力で塗ることが可能です。


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塗装の目的は【美観】と【保護】の2つがあります。

上写真は、2Mのテーブル天板(広葉樹/アサメラ)にクリア塗装を施している様子です。

塗装している箇所、していない箇所の違いが一目瞭然です。塗装することで、木目や色目を引き立たせ【美観】、汚れや傷から木部を守ります【保護】。


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建築現場における塗装で、実は大切なのが「養生(ようじょう)」です。

(上写真左より)マスカー・養生テープ・マスキングテープは必須アイテムです。


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建築現場における塗装は、通常、「竣工の直前」に行われます。

壁塗りやクロス張りなど、まわりがきれいに仕上がった状態で行われることが多いのです。

仕上げ面を汚さないのはもちろん、取り合い部にきっちりと養生を行うことで、エッジがきれいに仕上がります。

養生作業にどれだけ時間と労力をかけるかで、塗装の仕上がりも大きく変わってくるといっても過言ではありません。

 

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今回の物件では階段の蹴込板(けこみいた)を塗装しました。左写真が塗装前、右写真が塗装後です。


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床:フローリング材(栗/無垢材)の塗装は力仕事です。今回は、「蜜蝋(みつろう)ワックス」を使用しました。

「蜜蝋ワックス」は、国産の蜜蝋・エゴマ油を原料としており、木の風合いを引き立たせ安全性が高いこともあり、住まい手の皆様から人気のある塗料です。

ただ作業面では、刷毛(はけ)ではなく、スポンジとウェスで薄く伸ばしながら塗っていく必要があるため、持久力が求められます。


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お昼に、所長の三澤康彦作のニンニク入りカレーライスを食べて力を蓄えます。


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細かな箇所も塗り残しが無い様、念入りにチェックしタッチアップを行います。

一軒の木部の塗装に、スタッフ4名で2日間は最低必要です。

竣工間際のため、「早く作業を進めたい」という気持ちと、「養生をしっかり丁寧に」という気持ちのせめぎあいです。


また、外部では、以前Ms日記でご紹介した木塀の取り付け作業が大工さんによって進められました。

※過去の記事はこちら↓

 「冬の屋外作業」

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雪のちらつく中、レベル(高さ)を確認しながら支柱を建てていきます。すばやく正確なプロの作業に脱帽です。


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完成した木塀は、建物や周囲の豊かな自然環境と調和し、美しいものに仕上がりました。


最後の最後で、木の住まいに美しさと耐久性を持たせる「木部の塗装」。

ひと手間を惜しまず、これからも継続していきます。


Msスタッフ 上野

千里山の家 -植栽工事-

昨年8月末に竣工・お引渡しを行った千里山の家、竣工してから6ヶ月が経過し、時期を見計らっての植栽工事となりました。

施工はMsで25年間お世話になっている、春蒼園の尾崎さん。Msでの施工実績は100軒を超え、阿吽の呼吸という言葉がしっくりきます。

過去の記事はこちらをどうぞ↓

『棟上げ:2016年4月27日』

『竣工:2016年8月30日』

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まず始めに今回の植栽を仮置きしていき、位置の最終確定を行います。こちらの作業は外からの見え方、部屋の中からの見え方、植栽の表裏も確認しながらの作業となるため、非常に大切な工程となります。住まい手に直接確認決定していきます。

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こちらは昨年12月にあらかじめ春蒼園 尾崎さんの畑にて、住まい手の好みや樹木の雰囲気をヒアリング・確認しながら樹種の選定を行っている様子。

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今回はミニショベルを使用して土壌を整えると共に、改修工事前から家を悩ませていたノウゼンカズラも根こそぎ取り除きました。ノウゼンカズラは他のものに吸着する力が強く、あらゆるところに絡みよじ登っていってしまうつる植物です。

住まい手は改修工事をされるまでの間、長年頭を悩ませていた問題点の一つとして挙げられいました。これでこれからは安心して庭を育んでいけることと思います。

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さて、土壌を整えた後、防除シートを敷き込んだ上で、マルチバークを被せていきます。直接地表面に日光が当たらないようにすることで、共に雑草の発生を抑えてくれます。その他マルチバークには土壌を暖気の乾燥から守ったり、保温効果も備えているため、仕上げ材としての優れモノです。

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住まい手への水やりポイントを説明していただいたのは、職方の池田さん。(写真上)

様々なところで修業を積まれ経験年数20年と知識が豊富です。

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(写真左)が竣工前、(写真右)が植栽施工時。緑が加わると住まいがぐっと豊かになっていく様子が分かります。

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こちらは内部です。手前からナンテン、ヤマモミジ、アジサイ、サツキ、クチナシ、ヤマボウシ・・・四季折々の顔を見せてくれる樹種たちが並びます。

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Msオリジナルのネームプレートを取付けさせていただきました。雰囲気を壊さないように、植栽に馴染む木製(杉)のプレートを手作りしています。これで樹種の名前も覚えながら、水やりも楽しみながら愛着を持って行っていただけると思います。

寒さに耐えながら芽吹く春が今から待ち遠しく、近隣の方々の目も大いに楽しませてくれることでしょう。またお伺いして私自身も楽しみたいと思います。

スタッフ 中根

冬の屋外仕事

節分も過ぎ春が待ち遠しいですが、大阪でも雪がちらついています。

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Ms・MSD。とある物件の工事で直営に近いかたちで木塀の仕事を担当することになりました。とても寒い寒い中、朝8時頃から夕方4・5時まで外で仕事です。上写真は、スタッフが駐車場で木塀に使用する杉板を塗装している様子です。

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木塀に使用するのは「赤味(あかみ)」の杉板です。「赤味(あかみ)」とは、樹木の芯に近い色の濃い部分です。「赤味(あかみ)」は水に強く耐久性に優れています。

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外壁を留め付ける4Mの下地材にも塗装していきます。すべての面をきれいに塗装するには腕力・持久力も必要です。

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塗装を終えた木塀を乾燥させます。総量500枚。4人のスタッフで3日間の作業量です。

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乾燥を終えた材は翌日、手早く梱包して運搬します。設計事務所は室内で音楽を聞きながら優雅に仕事をしていると世間の工務店では思っているかもしれませんが、Ms・MSDは世間の工務店と同じ外での仕事に汗を流しています。肉体労働もしているのです。設計事務所が率先して先導しなければ工務店も協力してくれません。


さて、ここからは福島県のお話です。

いつもお付き合いしている株式会社オグラからお便りが届きました。ここは日本有数の多雪地域です。2~3Mは普通に積もります。この極寒の中でも山仕事は進みます。

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栗の丸太13本。柱用に注文していたものが原木で揃いました。いい丸太です!!

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雪でわかりませんが、長年お付き合いしているオグラです。信用しています。

本当に・・・信用していいのですね。(笑)

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夏場のオグラはこのような風景です。冬場とは全然違うのです。


今回注文した丸太も製材して4~5年天然乾燥してようやく利用出来るのです。

「いったいいつまで設計するのですか?」と三澤文子さんにいつも言われ続けるほど、常に買い続けている三澤康彦です。



三澤康彦

OMソーラー体感セミナー

昨年12月8日と今年1月29日にOMソーラーの体感セミナーが行われましたので

そのご報告をいたします。

会場となったのは太陽熱利用の床暖房(OMソーラー)を採用した

木造公共施設であるデイハウスりぼん

高い断熱性能から、職員の方が出勤される早朝にも関わらず

20℃前後を維持する福祉施設です。

下記リンクより、毎日の温度変化を見ることができます。

https://econaviom.net/om/EconaviOM/omsolar_detail.aspx?category=day&userid=1046

竣工後一年ほどが経過し、床暖房の効果がよくわかる冬場の開催となりました。

昨年12月8日の見学会は朝7:30スタート。(参加者の方は前日入り)

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構造材、Jパネルに大阪府の木材を使い、地域に密着した建物となっています。

この日は外気温7℃に対して室温20℃。

施設の暖かさと木質の暖かさを同時に体感いただきました。

見学会後はMs事務所にて皆さんと一緒に朝食。

三澤夫妻の手料理にみなさん感激されていました。

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見学と朝食の後はMs三澤とOMソーラーさんのパワーポイントにて講習。

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OMソーラーや木造施設に関するディスカッションも熱を帯びました。

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最後は皆さんとMs事務所の前で記念撮影。

次いで、時間を空けて開催された今年1月29日の見学会。

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前回の見学会から学び、内部と外部の2班に分かれて見学いただきました。

拙い解説でしたが三澤と共に、私も建物の説明を致しました。

見学会後は、デイルームを利用しての講演。

Ms三澤康彦によるデイハウスりぼんの詳細な解説と木造で創ることの有意義さについて

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オムロンヘルスケアにいらした小林様から「暮らしの中の健康指標」と題して

健康に関するお話をいただきました。

高血圧や糖尿による健康リスクについてのお話には釘付けに。

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OMソーラー柿崎氏によるOMソーラーの仕組みと健康、今後について

お話しいただき、無事見学会は終了いたしました。

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OMソーラーさんを通じた見学会であったため、告知はほとんどありませんでしたが

多数の方にお越しいただき、実物に触れ、有意義な時間となったことと思います。

デイサービスの利用時間外とはいえ、お掃除や準備などご協力いただいた

ライフサポートりぼん様には大変感謝しております。

ありがとうございました。

今後もこのような見学会が行われると思いますがよろしくお願いいたします。

スタッフ戎野

新年の木配り(きくばり)

2017年はじまりました。

昨年は熊本地震、倉吉を震源とした鳥取地震、糸魚川市の火災と自然災害が起こり、平時の身の振り方を再認識させられる年でした。住宅設計に携わる職能として、各地で安全に快適に過ごせる住まいを創る責任を改めて感じ取りました。

阪神大震災を実際この目で体験した私ですが、何の前ぶれもなく訪れる災害に対して自分自身で対応できる日常を持つことが大事であると思っています。万全でなくても「常におもうこと」が大切です。

1月14日。Msがいつも使用する木材は直接設計側で調達するため、木配り(きくばり)を松阪市:(株)コウヨウのプレカット工場にて行いました。文字通り、木を配る(くばる)のです。

集成材、スチール、コンクリートなどは木材と同じ建築材料ですが、個々の部材の品質が違うということはありません。工業製品ですから。それに比べて木材は1本1本それぞれが異なった顔をしています。


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9時半にコウヨウのCAD担当者と打合せを開始し、11時半で一応終了です。


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木を配る前に、近くで見て、遠目で見て木材全量の姿をどう配ってゆくか作戦を練っている所です。


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その後、約30分ほどで木材を並べてゆきます。当然、Ms・MSDスタッフで並べるのです!!

「ちょっと並べてくれ」など絶対に出来ません。自分達で調達したものは自身でやるのです。


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木材は重いのです。この木材は「フジイチ(天竜杉)」の材料で天然乾燥したものを事前に含水率まで私達が計測しています。

長さ5M・120×300mmの梁:1本で約100kgあります。今回はMSD(福島事務所)の仕事ですが、女性ではこの重さはなかなか辛いです。よって、千里事務所の男性スタッフが助っ人しています。

 

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12時から腹ごしらえです。いつも、「一升瓶」という焼肉店で松阪肉・ホルモンをたらふく食べてエネルギーを蓄えます。そして、午後からまた作業開始です。


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机上で含水率何パーセント・木材の長さを数値で入れてみても、しょせん数字です。実際を想像する人はまだましですが、無機的な記号によるものです。それを実際に現場で大工(職人)が取り付ける。設計者は自身では取り付けられない「もどかしさ」を大切にしなければなりません。


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寒中の中、図面とモノ(木材)との「こんくらべ」です。決して諦めない。とことん吟味する。

しかし、時間は有限です。このせめぎ合いの中、当然だんだん早くやらなければギブアップです。


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木配り(きくばり)が初めての新入社員への指導にも熱が入ります。


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そして終了。この笑顔です。

Ms・MSD、常に自分たちで汗をかき、筋肉痛になりながら住まいを創る。これが絶対に必要なのです。



三澤康彦