残暑お見舞い申し上げます。

お盆になりましたら、急に秋のような涼しさです。すでに立秋を過ぎたので、夏から秋への移り変わりを感じるのも当然です。

この8月は、故・三澤康彦の初盆であり、8月11日には、滞りなく初盆法要を済ませることができました。

1.JPG

初盆の準備は、7月末から行いました。

まずは、猛暑の7月、エアコンの無いこの中2階の仏間は、汗が噴き出すほどの暑さです。これは大問題。ということで、急遽エアコンを設置。32年間、なぜ設置しなかったのか、今となっては不思議。という気持ちです。中2階の高いところ(写真右上)に設置したため、なんとこのエアコン1台で、家じゅうが全て快適な涼しさになりました。

2013年に断熱改修し、冷気が逃げにくい室内は予想以上の快適さで、康彦氏に大いに報告したい出来事でした。

2.JPG

またお仏壇の前の経机は、以前、大橋朋晃くん(oguma)がMsを卒業する時、プレゼントしてくれた小さな机をリニューアルしたものです。今回、大橋くん<解体修正>→橘明夫さん<ナグリ加工>→沢田欣也さん<漆塗り>→大橋くん<組み立て> という見事なリレーで、初盆法要に間に合い、お仏壇の前に、設置することができました。法要でお越し頂いた、お寺のご住職さまには、これら、仏壇、経机、そして提灯までも、絶賛して頂いたことを、リレーでご苦労頂いた、3人さまには、報告しなければなりません。

3.JPG

提灯は、イサムノグチデザインの AKARI提灯3AD です。きっと康彦氏が気に入ってくれると思い、これも7月中旬には準備しておきました。

手前の鍋島段通は、昨年、購入してあった骨董品。実は倉庫に直しておいたもの7月になってから出してきました。「綿なので、夏に良い。」と聞いたからです。出してみると、青のグラデーションの、独特の模様が、意外に涼しさを感じさせてくれて、さらに素足で触る感触がとても気持ちいいのです。

中2階から家全体を見下ろす位置にあるお仏壇。ここが仏間になるなど、誰が想像したことでしょうか。ただ、今は現実を受け止めなければなりません。

そんなことで、「良い位置に良い空間が出来た。」と思うこの頃です。

Ms三澤文子

静岡県W邸現場報告 既存建具の選定

近日暑い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今回は静岡県W邸の現場の様子をご紹介します。以前にもMSDのブログで建て方の様子をご紹介した物件です。(建て方の様子・概要はこちら)

まずは現場の様子から。

内部の造作工事を主に行っています。大きな建物で10月上旬竣工のため、常時大工さん5名程で作業しています。最近洗面台の人造大理石が設置されました。(シンクなどはまだ取りついていない状態です)

渡邉邸内部造作.png

そして先日スタッフ3名と三澤の計4名で既存建具の選定のため、大阪~静岡まで車で行ってきました。既存建具選定の様子です。

図1.png

改修の場合、既存建具の再利用を行うケースがおおいにあります。既存の建具を再利用するためには加工方法、使用の仕方など建具屋さんと念入りに打合せを行う必要です。今回は約4時間程、建具の打合せを行いました。加工を行う建具をひとつひとつ確認していきます。

IMG_8962.JPG

元々使用されていた建具を加工することは高度な技術を必要とします。繊細でデリケートなものも多く、既存の建具は世界に一つですので、手を加えるのは新しく作るよりも神経を使います。建物本体もそうでが、建具は住まい手さんが日常生活のなかで、手を触れ、お手入れされていたものなので出来るだけ再利用する方針で進めています。

建具の吊り込みは工事の終盤になりますので竣工までお楽しみです。

Msスタッフ 久保

賑やかなMOKゼミ神戸になりました

7月22日MOKゼミ神戸が柿の木荘にて行われました。
今回は「木の家リフォームと漆」をテーマに行いました。
1.jpeg
↑写真左側の蔵がMsの漆工房です。蔵の中ではスタッフが朝から漆塗装を行っています。
後ろにあるビニールの部屋(ムロ)は、塗った漆を硬化させる場所でスタッフお手製です。

2.JPG
ムロの内部では湿度を高め、漆を硬化させます。
一般には「漆を乾かす」と言いますが、正確には乾くのでは無く漆液のラッカーゼ酵素を反応させる事によって「硬化」する事を 乾く と表現する事が多いです。

3.JPG
建物の見学の後は、MOKゼミ神戸の講義を行いました。

今回は、Ms三澤文子氏による「柿の木荘」この施設がどの様に改修がされたのか

漆師の沢田欣也氏による「漆のある暮らし」たくさんの事例写真と共に紹介していただきました。

5.jpeg
講義の後は、沢田欣也さんに用意して頂きました色々な漆材のサンプルを見せていただきました。

6.jpg
休憩の時間です。この手洗いカウンターは、沢田欣也さんに漆を塗っていただきました。漆仕上げは、さっと拭くと汚れが取れて手入れがとても簡単です。手触りも良くてお勧めです。
IMG_1218.JPG
休憩の後は、ミニ漆体験教室です。
拭き漆の利休箸に絵付けを行いました。

8.JPG
今回のMOKゼミは、蔵での建材の漆塗装、コンフォルトさんの漆取材の同時進行

賑やかなMOKゼミ神戸となりました。
取材して頂きましたCONFORT(コンフォルト)9月号は、色がテーマとお聞きしております。色、建築、漆がどの様に掲載されるのか楽しみです!
MOKゼミ神戸にお越し頂きました皆様、暑い中お疲れ様でした。

次回は9月16日となっております。 MOKゼミ神戸に参加ご希望の方はこちら

IMG_1239.JPG

素晴らしい石川ナンバーのお車。たくさんのサンプルを持参して下さり有難うございます。
Msスタッフ新井

Ms漆工房 ムロ製作

IMG_2276.JPG

6月末に柿の木荘にあるMs漆工房にて、漆を塗った材を保管するムロを製作しました。

IMG_2163.JPG漆は塗るよりも乾かす方が難しいと言われ、乾燥には一定の湿度が必要です。

これまでは塗った材を木棚に入れて、そのまわりをビニールシートで覆い、その中で電気ポッドを使用して水蒸気を発生させて一定の湿度を保ちながら乾燥(硬化)させていました。

今回は、ムロのスペースを広げ、材の保管スペースを十分に確保し、ムロのセッティングの手間を減らすためのさらなるグレードアップを目指してムロを拡張していきます。

IMG_2496.JPG作業の様子です。下地材を取付けていき、ムロの枠組みを造っていきます。

ファイル_005.jpeg漆がついたり、破れたりしても取り替えやすいように天井・壁部分にマスカを張っていきます。

出入りをする箇所にはカーテンレール、ビニールカーテンを取付け、材を搬入しやすいようにしています。

そして....

ファイル_008 (1).jpegファイル_007 (1).jpegIMG_2498.JPGついにムロの完成です!

写真ではマスカの壁部分はまだ垂らした状態では無く、畳んだ状態ですが、使用する際は全面を覆い、湿度が保てるようになっています。

これで、ムロのスペースも以前よりも広くなり、よりスムーズに材を搬入できるようになりました。

このMs特製のムロを使い、漆塗りの作業効率を高めていきます。

とはいえ、漆を扱う上で、かぶれ対策もしっかりと準備しておかなければなりません。

私自身、まだかぶれたことはないですが、いつか漆にかぶれるその日に備えて、準備は怠らないようにしようと思います。

Msスタッフ宮本

木造でつくる「有料老人ホーム/計画案」

Ms事務所では、近年、個人の住宅に加えて、人が集まる施設建築を木造でつくることに力を入れています。

高齢者施設・幼稚園・保育園など、私たちの生活の身近にある施設を『木造で建てられないか』と希望される方が多くいらっしゃいます。

これまでは、様々な規制の下、鉄筋コンクリート造・鉄骨造で建てられる時代が長く続きましたが、この10年近くで、国の施策を含めて考え方が大きく変わってきました。

現在では、構造や火災時の安全性等の性能面をきちんと確保すれば、規模や用途に応じて『木造でも建てられる』時代になっています。

木造施設の近作はこちら ↓

デイサービス施設「NPO法人ライフサポートりぼん」 / 2016年竣工/ 設計:三澤康彦

障害福祉サービス施設(生活介護事業所)「美結の森」 / 2016年竣工/ 設計:三澤文子

今回は、神奈川県鎌倉市の工務店/「楽居」さんからお話をいただき、Ms事務所にて木造『有料老人ホーム』の計画立案を行いました。

IMG_1011113.jpg

写真は、楽居さんへのプレゼンテーションを行った会場の様子です。

東京中野のモノ・モノさんのコミュニティ・サロンをお借りしました。

2.jpg

コンクリートのマンションの一室を木質リフォームした会場には、秋岡芳夫さんの椅子・低めのテーブルなどが置かれ、都心とは思えない落ち着いた雰囲気のなかでプレゼンテーションを行うことが出来ました。

3.jpg

中大規模の施設建築を木造で建てるためには、安全性の確保などのため様々な基準に適合させる必要があります。今回は『有料老人ホーム』に関する諸条件を分析し情報共有を行いました。

4.jpg

計画案の模型写真(鳥瞰)です。

"無機質な施設"というイメージから離れ、"木造平屋のいえ"をコンセプトに計画しています。

5.jpg

中庭からの外観イメージです。

個々の建物のボリュームを押さえ、地形に合わせて配置することで"平屋の街並をつくる"ことを意図しています。専門用語になりますが「別棟解釈」という手法を採用することで、火災時の延焼防止策を講じています。

c4b907d3b9a5fede959f4c6dad8f16c4a82fa58f.jpg

共同生活室のイメージです。

ユニットケア方式で10人前後の利用者の皆さまが利用する明るく開放的なリビング・ダイニングとなります。

5167d19e3a38fede8516d070c9b4b47c112a9d09.jpg

個室内部のイメージです。

天井を低く抑え、木のぬくもりが感じられる落ち着いたプライベートスペースとして計画しました。

8.jpg

今回のお話をいただいた工務店/楽居の代表:三浦さん(写真左)、早崎さん(写真右)です。

プロジェクトをご一緒する中で、高齢者施設を木造でつくっていく社会的な意義・課題を幅広く共有することができました。

持続可能な環境建築へ。

法規制のあり方も含め、世の中が大きく変わり始めている時代です。

快適であることと同時に、地域に、環境に、広義な意味で社会に貢献できる可能性を秘めた木造建築を。

皆さまと一緒につくっていきたいと考えています。

Msスタッフ 上野