木の住まいをデザインする建築設計事務所

Ms日記

1年メンテナンス&温湿度測定【豊中市新築戸建住宅】 :2017年4月14日

昨年2月に竣工・お引渡しを行った豊中市「木箱の家」、竣工してから1年が経過し、1年メンテナンスを行いました。

過去の記事・作品集はこちらをどうぞ↓

『上棟:2015年11月3日』

『竣工:2016年2月13日』

『木箱の家(作品集)』

木箱の家は延床20坪の非常にコンパクトな住まいです。今回のメンテナンスでは、1年間暮らした中で生活に必要と感じたものをプラスαしていく追加工事を行いました。

メインはキッチン廻りの収納棚造作工事です。

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Before

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After

上下段に引違い建具付収納、中段には家電スペースとして耐久性・清掃性に優れたステンレスを用いた住まい手理想の収納棚が出来上がりました。このように住まいを育んで大切に使っていただけることをとても嬉しく感じました。このようなメンテナンスも一品一生産を大切にしているからこそと言えます。

さて、今回のメンテナンスでは併せて温湿度の測定をさせていただきました。Msでは計画段階で温熱計算(Ua値、Q値)を行うことで住まいの断熱性能を計画・決定しています。

ただしこれはあくまでも計算値です。実際の住まいが狙ったような結果となっているかどうかは測定をしなければ誰にも分かりません。

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今回の暖房方式はペレットストーブです。(猫がびったり離れません)AC用電源とダクトルートは当然確保してありますが、現在のところエアコンは1台もありません。

夏場は扇風機と換気塔を利用した重力換気(自然換気)を活用することで、エコライフを送っていただいています。これも断熱性能がよい証ではないでしょうか。

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温湿度計(データロガー)設置状況① ※2階リビング・ダイニング

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温湿度計(データロガー)設置状況② ※床下

その他も同様に、寝室・1階和室・外部へ設置を行いました。

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こちらが今回の測定結果です。測定期間は2/22~3/6、その期間内でも3/1は最も寒さが厳しく、外気温は早朝6時で0℃まで下がりました。この環境下でも寝室は20℃を保っています。リビング・ダイニングで17℃、1階和室は12℃です。日中も急激に室温が下がっていくことはなく、帰宅時間の18時頃まで17℃前後を保っていることを確認することができました。

このような測定結果から温度の上下動により、在宅や不在、ペレットストーブの使用・不使用などの生活パターンを読み取ることもできます。

帰宅時、そして就寝時に家の中が暖かいというのは非常に大切なことです。昨今ではヒートショック現象(1万7千人)も社会問題の一つとして挙げられ、交通事故による死亡者数(4千5百万人)のおよそ3倍以上にも上ります。安全なはずの住まいが、実は外よりも危険であるといった結果となってしまっています。

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今後は夏場の計測も行い、ぜひ今後の生活(住まい方)に活かしていっていただきたいと思います。

スタッフ 中根

 
 

胡桃山荘と家族の生活 :2017年4月 3日

暖かい春の日射しの元、Ms事務所のある大阪府吹田市でも桜の開花が始まりました。

また、4月から新入社員を迎え、新たな年度がスタートします。


さて、本日は、「胡桃山荘くるみさんそう)」についてお伝えします。

胡桃山荘は、木の住まいづくりを考えている皆様のための「滞在型モデル住宅」(所在地:長野県上伊那郡箕輪町)です。

遠方にはなりますが、素晴らしい自然環境のなかで「貸切」で宿泊体験することができます。

 

  (※胡桃山荘の詳細はこちら↓)

  http://www.ms-a.com/kurumi/

 お問合せ、宿泊の予約もお気軽にどうぞ



今回は、Ms事務所スタッフの上野が家族3名で胡桃山荘に宿泊して参りましたのでご報告をさせて頂きます。


Msのスタッフとはいえ、普通に家族がおり、生活をしています。(当たり前です、笑)

また、普段、Msにて木の住まいに関する設計業務に従事しておりますが、その実、「コンクリートの賃貸マンション」で暮らしています。

『いつか、自分自身の木の住まいをつくりたい』という想いも、皆様方と共通しているのではないでしょうか。


日常の設計業務を離れ、「生活者・家族」という立場で、胡桃山荘をレポートします。


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到着した昼間はあいにくの小雨。外の景色はバルコニーから楽しみました。

子供は小学2年生(8歳児)。わんぱくで天真爛漫な年頃です。


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到着して何を言うかと思えば、「階段がある!おもしろい」でした。(苦笑)

マンション住まいの我が家には、家の中に階段が無く、それだけで心躍るようでした。

胡桃山荘の階段板は、「鳥取県智頭産の杉板"浮づくり(うづくり)"」ですよ」という解説には耳を貸しません。。


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夕方になり、ようやく天気も回復してきました。

我が家の休日の日課は、「ドッチボール」です。胡桃山荘の南庭がコートになります。

大人が疲れたあとも、一人でボール遊びです。


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小川にボールを落としては拾いに行き、チクチクした「ひっつき虫」が何度もズボンにつきます。

家の中では、妻が料理の下準備を始めてくれました。


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伊那地方で採れた野菜・豆腐でつくった鍋。きのこの炊き込みご飯は「土鍋」で頂きました。

済んだ空気、時にパチッとはぜる薪ストーブ、落ち着いた照明と低くゆったりとした椅子。

家族を包む空気までもが、やわらかく・あたたかくなった心地がして来ます。

 

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子供が寝静まった後は、静かに読書です。時折、薪をくべならがら過ごす静謐な時間は非常に贅沢なものでした。


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翌朝はすがすがしく晴れ、南アルプスの稜線がきれいに見えました。小川の音が心地よく朝から散歩です。


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布団の片付けや掃除も、いつもより積極的に協力してくれました。


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家族で過ごした胡桃山荘。


仕事柄、ついつい建築的な目線ばかりで住まいを見てしまいますが、家族にとっては文字通り「家」であり、「ホーム」です。


食べる、遊ぶ、休む。

建築が主役なのではなく、家族の生活こそが主役。


「家をつくるということはどういうことか?」

根本を考えさせられる良い機会となりました。

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どんな家族にも、それぞれの家族に「物語り」があります。

今回はわたしの家族の物語りの一部をご紹介させていただきましたが、胡桃山荘にはこれまで数多くのご家族が訪れています。


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ぜひ一度、胡桃山荘を訪れてみてください。


きっと、あなたの理想の住まいづくりへ向けたヒントがたくさん得られると思います。そして、何より、家族がより愛おしく感じられるはずです。



Msスタッフ 上野

 
 

木部の塗装 :2017年3月13日

3月も中旬に入り、暖かな日射しを感じる日も増えてきました。3月~4月は、新しい住まいへ転居される方も多い時期です。本格的な春の訪れを待ちながら、改めてご自身の住まいについて考えてみる良い時期かもしれません。


さて、本日は「木部の塗装」についてご紹介致します。

Ms・MSDでは、木部の塗装を「自ら」行うことがあります。木の住まいでは、メンテナンスにおいても木部の塗装が欠かせません。先月、ある物件で行った木部の塗装の事例をご紹介します。


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塗装道具は、パレット・コテ刷毛(写真中央)・刷毛(写真右)の3点セットを基本としています。

コテ刷毛は、広い面積を塗る時に重宝しています。刷毛目(はけめ)も無く、軽い力で塗ることが可能です。


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塗装の目的は【美観】と【保護】の2つがあります。

上写真は、2Mのテーブル天板(広葉樹/アサメラ)にクリア塗装を施している様子です。

塗装している箇所、していない箇所の違いが一目瞭然です。塗装することで、木目や色目を引き立たせ【美観】、汚れや傷から木部を守ります【保護】。


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建築現場における塗装で、実は大切なのが「養生(ようじょう)」です。

(上写真左より)マスカー・養生テープ・マスキングテープは必須アイテムです。


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建築現場における塗装は、通常、「竣工の直前」に行われます。

壁塗りやクロス張りなど、まわりがきれいに仕上がった状態で行われることが多いのです。

仕上げ面を汚さないのはもちろん、取り合い部にきっちりと養生を行うことで、エッジがきれいに仕上がります。

養生作業にどれだけ時間と労力をかけるかで、塗装の仕上がりも大きく変わってくるといっても過言ではありません。

 

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今回の物件では階段の蹴込板(けこみいた)を塗装しました。左写真が塗装前、右写真が塗装後です。


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床:フローリング材(栗/無垢材)の塗装は力仕事です。今回は、「蜜蝋(みつろう)ワックス」を使用しました。

「蜜蝋ワックス」は、国産の蜜蝋・エゴマ油を原料としており、木の風合いを引き立たせ安全性が高いこともあり、住まい手の皆様から人気のある塗料です。

ただ作業面では、刷毛(はけ)ではなく、スポンジとウェスで薄く伸ばしながら塗っていく必要があるため、持久力が求められます。


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お昼に、所長の三澤康彦作のニンニク入りカレーライスを食べて力を蓄えます。


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細かな箇所も塗り残しが無い様、念入りにチェックしタッチアップを行います。

一軒の木部の塗装に、スタッフ4名で2日間は最低必要です。

竣工間際のため、「早く作業を進めたい」という気持ちと、「養生をしっかり丁寧に」という気持ちのせめぎあいです。


また、外部では、以前Ms日記でご紹介した木塀の取り付け作業が大工さんによって進められました。

※過去の記事はこちら↓

 「冬の屋外作業」

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雪のちらつく中、レベル(高さ)を確認しながら支柱を建てていきます。すばやく正確なプロの作業に脱帽です。


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完成した木塀は、建物や周囲の豊かな自然環境と調和し、美しいものに仕上がりました。


最後の最後で、木の住まいに美しさと耐久性を持たせる「木部の塗装」。

ひと手間を惜しまず、これからも継続していきます。


Msスタッフ 上野

 
 

千里山の家 -植栽工事- :2017年2月20日

昨年8月末に竣工・お引渡しを行った千里山の家、竣工してから6ヶ月が経過し、時期を見計らっての植栽工事となりました。

施工はMsで25年間お世話になっている、春蒼園の尾崎さん。Msでの施工実績は100軒を超え、阿吽の呼吸という言葉がしっくりきます。

過去の記事はこちらをどうぞ↓

『棟上げ:2016年4月27日』

『竣工:2016年8月30日』

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まず始めに今回の植栽を仮置きしていき、位置の最終確定を行います。こちらの作業は外からの見え方、部屋の中からの見え方、植栽の表裏も確認しながらの作業となるため、非常に大切な工程となります。住まい手に直接確認決定していきます。

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こちらは昨年12月にあらかじめ春蒼園 尾崎さんの畑にて、住まい手の好みや樹木の雰囲気をヒアリング・確認しながら樹種の選定を行っている様子。

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今回はミニショベルを使用して土壌を整えると共に、改修工事前から家を悩ませていたノウゼンカズラも根こそぎ取り除きました。ノウゼンカズラは他のものに吸着する力が強く、あらゆるところに絡みよじ登っていってしまうつる植物です。

住まい手は改修工事をされるまでの間、長年頭を悩ませていた問題点の一つとして挙げられいました。これでこれからは安心して庭を育んでいけることと思います。

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さて、土壌を整えた後、防除シートを敷き込んだ上で、マルチバークを被せていきます。直接地表面に日光が当たらないようにすることで、共に雑草の発生を抑えてくれます。その他マルチバークには土壌を暖気の乾燥から守ったり、保温効果も備えているため、仕上げ材としての優れモノです。

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住まい手への水やりポイントを説明していただいたのは、職方の池田さん。(写真上)

様々なところで修業を積まれ経験年数20年と知識が豊富です。

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(写真左)が竣工前、(写真右)が植栽施工時。緑が加わると住まいがぐっと豊かになっていく様子が分かります。

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こちらは内部です。手前からナンテン、ヤマモミジ、アジサイ、サツキ、クチナシ、ヤマボウシ・・・四季折々の顔を見せてくれる樹種たちが並びます。

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Msオリジナルのネームプレートを取付けさせていただきました。雰囲気を壊さないように、植栽に馴染む木製(杉)のプレートを手作りしています。これで樹種の名前も覚えながら、水やりも楽しみながら愛着を持って行っていただけると思います。

寒さに耐えながら芽吹く春が今から待ち遠しく、近隣の方々の目も大いに楽しませてくれることでしょう。またお伺いして私自身も楽しみたいと思います。

スタッフ 中根

 
 

冬の屋外仕事 :2017年2月 9日

節分も過ぎ春が待ち遠しいですが、大阪でも雪がちらついています。

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Ms・MSD。とある物件の工事で直営に近いかたちで木塀の仕事を担当することになりました。とても寒い寒い中、朝8時頃から夕方4・5時まで外で仕事です。上写真は、スタッフが駐車場で木塀に使用する杉板を塗装している様子です。

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木塀に使用するのは「赤味(あかみ)」の杉板です。「赤味(あかみ)」とは、樹木の芯に近い色の濃い部分です。「赤味(あかみ)」は水に強く耐久性に優れています。

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外壁を留め付ける4Mの下地材にも塗装していきます。すべての面をきれいに塗装するには腕力・持久力も必要です。

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塗装を終えた木塀を乾燥させます。総量500枚。4人のスタッフで3日間の作業量です。

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乾燥を終えた材は翌日、手早く梱包して運搬します。設計事務所は室内で音楽を聞きながら優雅に仕事をしていると世間の工務店では思っているかもしれませんが、Ms・MSDは世間の工務店と同じ外での仕事に汗を流しています。肉体労働もしているのです。設計事務所が率先して先導しなければ工務店も協力してくれません。


さて、ここからは福島県のお話です。

いつもお付き合いしている株式会社オグラからお便りが届きました。ここは日本有数の多雪地域です。2~3Mは普通に積もります。この極寒の中でも山仕事は進みます。

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栗の丸太13本。柱用に注文していたものが原木で揃いました。いい丸太です!!

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雪でわかりませんが、長年お付き合いしているオグラです。信用しています。

本当に・・・信用していいのですね。(笑)

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夏場のオグラはこのような風景です。冬場とは全然違うのです。


今回注文した丸太も製材して4~5年天然乾燥してようやく利用出来るのです。

「いったいいつまで設計するのですか?」と三澤文子さんにいつも言われ続けるほど、常に買い続けている三澤康彦です。



三澤康彦