北白川環境設計道場  -前期発表会-

今月の6/8(金)に北白川環境設計道場の発表会が行われました。

道場はいつもは京都建築専門学校のよしやまち校舎を会場として勉強会を開かれているのですが、

今回は発表会ということで、Ms建築設計事務所が会場となりました。

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まず北白川環境設計道場とはなんぞや ということで、

この道場は、建物の温熱環境について学ぶことのできる場所です。

入門時は基礎コースから始まり、そこで半年間の修業を終えた後、応用コース、そして実践コースへとステップアップしていきます。

勿論、Msスタッフも温熱の知識をより深めていくため、道場に参加しています。

応用コースと実践コースは、半期に一度、それまで学んだことを活かし、発表をする場が設けられています。

今回、応用コースでの発表者は7名、実践コースでの発表は6名の計13名の方が発表を行いました。

応用コースは共通テーマを設け、よしやまち校舎の温熱改修計画します。

断熱部分の断面構成を計画し、建物の全体や部位ごとの断熱性能の算出して、

現状と温熱改修案の性能値を比較し、発表を行います。

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中には一次エネルギーの試算も行っている方もおり、道場での勉強の成果を発揮していました。

実践コースでは、各々で興味のあるテーマを決め、時にはチームを組み、発表を行っていきます。

結露に対しての検討や改修物件の報告など、様々なテーマの発表で、質門も多く飛び交い、質疑応答の時間で白熱した議論が行われていました。

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フリップを使い、シールをめくり、そして参加者に問題を出すという会場を巻き込んだ発表方法を採用した組もあり、それぞれ趣向を凝らしていました。

鮮やかにフリップをめくって見せたのは、Msに月に一回、温熱講師として来ていただいている水の葉設計社の中野さんとMsスタッフの酒谷です!

指示棒も手作りして発表に臨み、気合が入っていました。

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道場参加者の発表も終わり、最後はMsスタッフである中根が、最近竣工した物件の報告を行い、発表会は終了です。

終了後は、懇親会が開かれ、発表に関しての意見交換等、皆さん歓談を楽しまれていました。

同じ温熱を学ぶ者同士が道場に通う中で芽生えてきた疑問、仕事で疑問に思っていたことを一緒に考え合える場所としても、今回の発表会もとても刺激を受けるものとなりました。

現在、北白川環境設計道場は新規参加者を大募集中ですので、興味のある方は一度道場へ訪れてみてはいかがでしょうか。

Msスタッフ 宮本

福島のオグラへ~木材検品の旅

5月30日~31日、福島県 南会津町のオグラに行ってきました。三澤康彦さんが買いつけてあった木材を、近いうちに大阪に運ぶことになり、その打ち合わせと、今年2月に、丸太から挽いて頂いた、クリの階段板の検品が目的です。

木材コレクションは三澤康彦さんの、いわば趣味でしたが、今回は初めて私自身が、オグラの渡部さんにお願いして挽いてもらったもの。ただいま設計中の住宅の、階段板のためです。

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階段板は、桟積み乾燥され、いい具合に乾燥中です。

また、Msと記された 柱材もズラリ。H28年のシュリザクラもあります。これもいずれかのお住まいの柱になるよう、じんわり乾燥させて、設計に組み込んでいきたいものです。

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毎年5月の末頃、桜設計集団の安井昇さんが号令をかけてオグラに行きます。今回は

設計者6名でオグラツアー参加。

安井さんの弟子の加來千紘さんは、初めて自分が選んだ丸太を挽くということで、参加者みんなで見守りました。製材機の音が響く中、丸太が帯鋸をとおり、2つに割れます。その時、パッと現れた木の色と木目の美しさに、ワッと声が上がります。

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また、見守る、加來さんの嬉しそうな顔、安井師匠のにんまり顔に、こちらも嬉しくなります。

一方、設計友達の内海彩さんは、先回挽いてあった板をテーブルに加工してもらうということで、オグラの渡部さんと、材をみっちり吟味中です。

Msも、渡部さんに、今後もクリなど、東北の良い材を吟味して頂く約束をしました。

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最後は、オグラのショップに寄ってお買い物。地元の人気木工作家の、胡桃のカットボードが沢山あるなか、私も豆皿を数枚、お土産に買って帰りました。

毎年5月の木材検品の旅。1年後の楽しみができました。

三澤文子

「百年名家」 放送のご案内~金華山に抱かれた岐阜・抱石庵~

6月10日(日曜)抱石庵がTV放送される事になりました!

BS朝日 5CH 時間12:00~12:55

BS朝日番組サイト:「百年名家」知の巨人が造った美の館~金華山に抱かれた岐阜・抱石庵~BS 

Ms三澤文子作品紹介:抱石案(久松真一記念館)再生プロジェクト 

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大正3年に建築された抱石庵は、岐阜出身の哲学者、久松真一氏が晩年を過ごされたお住まいです。2005~2006年Ms三澤文子、岐阜県森林文化アカデミーの木造建築スタジオが、この建物の改修設計・監理を行いました。

内観は、ほとんど変えずに、耐震性を確保し省エネ性も格段に向上させました。

2005年11月23日 こちらは工事前の既存建物「詳細調査」の様子

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2006年 抱石庵 改修工事の様子

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当時より、三澤文子が行っていた「木造建築病理学」に基づく既存建物「詳細調査」や、建物の耐震性や温熱環境を向上させる取り組みがあったことも知って頂き、番組をご覧いただければ幸いです。

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ぜひ、6月10日、放映の「百年名家」をお楽しみ下さい。

Msスタッフ新井

神戸市 S邸新築工事 竣工しました

昨年12月に上棟した神戸市S邸が竣工しました。S邸は三澤康彦設計、命名は三澤文子『春風の家』に決まりました。

この住まいに来るとその名前の意味が空気感で伝わってくる気がします。そんな清々しい名前を私はとても気に入っています。

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こちらが春風の家の外観です。木造一部コンクリート造の混構造2階建てです。特徴はなんといっても前面道路側の東面に屋上庭園があること。ただし、造園工事はお引越し完了後ということで、6月に入ってからを予定しています。コンクリートにアールを付けることでとても柔らかな印象を与えています。

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今回の施工は、堺市のコアー建築工房さん。棟梁はベテランの田尻博信 棟梁。『男は背中で語る』とはこのこと。(上棟時の様子)

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さて、今回住まい手Sさんは設計を依頼された当初より気密測定を希望されていました。水の葉設計社の中野弘嗣 さんにご協力いただき、測定を実施しています。断熱性能は、Ua値:0.37W/㎡・K、Q値:1.29 W/㎡・Kと申し分ありません。

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測定結果はC値:1.0㎠/㎡と、とてもよい結果を得ることができました。これも丁寧に施工をしてくださった方々のお陰です。測定後はどこに隙間があるのかを追及する作業も行っています。

今回屋上庭園を気持ちよく見ることができるよう、幅3.3M、高さ2Mの木製建具(アイランドプロファイル)を使用しました。こちらの木製建具の召し合わせ部分や玄関ポストからの隙間が確認されています。このような測定後の分析もとても大切な作業の一つです。

今後造園工事を6月に行い、9月に竣工写真をカメラマンの畑拓さんへお願いしています。

10月頃にはその様子を皆さんへお伝えできると思います。

・・・10月まで?少し先が長く中の様子が気になりますね・・・私が完成の様子を先撮りしてきましたので少しだけご紹介させてもらいます。

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『玄関・ポーチ』チークの板張りや漆塗りの敷台、御影石を組み合わせ、落ち着きある佇まいに仕上げています。

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『階段』

段板にはエムズの定番、岩手県の栗を使用。廊下の奥には麻の暖簾を、これかの季節にぴったりです。

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『トイレ』

お馴染みのITOIボールにアクセントとなるタイルを加えています。もう一つのトイレも漆塗りをふんだんに使用した素敵な空間でご紹介したいところですが・・・次回の報告に持ち越しです。

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『リビング・ダイニング』

天井には杉の白太を選りよりすぐった材を張っています。目透かしをした材のため、見る角度や光の入り方によって様々な表情を楽しめます。

床板には北海道から仕入れた楡(ニレ)を使用。程よい堅さがとても気持ちよく、これから使い込む程にどんどん味を出していってくれることでしょう。

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『家事室』

人工大理石と住まい手お気に入りのボーダータイル。とても素敵なタイルを選んでもらいました。

春風の家に携わっていただいた多くの方々、そして職人さんにはこの場を借りて感謝致します。これからは住まい手の手によって大切に育まれていくことと思います。

引き続き造園工事、竣工写真と残っていますので、次回の報告を楽しみにしていてください。

スタッフ 中根

MOKスクール春のフィールドツアー

先週末にMOKスクール春のフィールドツアーに行ってきました。

今回の開催地は日本でもトップクラスの林産地である奈良県の吉野です。

参加者は工務店さん、大工さん、製材所さん、設計事務所さん、ゼネコンにお勤めの方であったりと、業種は多岐に渡りますが、木が好きな方々にお集まりいただきました。

新入生、OB生合わせて37名で2台のバスに揺られながら、いざ吉野へ!

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まずは泉谷木材商店の製材所を見学させていただきました。案内人は「いずやん」こと泉谷繁樹さんです。実際に製材中の柱やフローリングを見せていただきながら、フリップなどで分かりやすく吉野林業についてご説明いただきました。

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吉野林業の特徴は「密植」、そして「多間伐」。

木は環境が良いとすくすく育ちます。一見良いことに思えますが、成長の速い木はそれだけ密度も少なく目の粗いものになってしまいます。

吉野ではあえて密植をして木に我慢をさせて少しずつ大きく育てる。そして間引き(間伐)をして成長に必要なスペースを確保する。それを繰り返すことで吉野材の特徴である目の詰まった年輪となり、強度の高い材ができます。

ただそれだけ時間と手間を要するので吉野林業は林業界のガラパゴスと言われているそうです。

いい木を育てるのはやはり大変だと、改めて実感しました。

では実際に山へ行ってみましょう!ということで谷林業さんがお世話をしている山へ連れて行ってくださいました。もちろん道中も泉谷さんのレクチャー付です。

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山に着くころにはもうお昼時ということで、泉谷さんにご用意いただいたお弁当で腹ごしらえを。

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川上村の料理旅館「朝日館」のお弁当です。女将さんが3日程煮詰めたアマゴの甘露煮はとても絶品でした。

山に入ると日常離れした景色に囲まれて、気持ちが浮き立つような感覚と、空気がよいからでしょうか?妙に落ち着くような感覚と、自分でも不思議に感じながらもっともっと奥へと進んでいきます。

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山の案内人は谷林業の前田駿介さん。作業道のつくり方について説明していただいています。

物静かな口調でありながら、山について熱く、誠実に話されていたことが印象に残っています。

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レクチャー後は山の中を散歩して自然の香りを堪能しました。

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山の次は酒蔵へ。

道中案内人の早稲田さんのお話を聞きながら目的地に向かいます。

早稲田さんは総務省の地域活性事業に応募して、東京から移住された経歴の持ち主です。

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木を学びに来てなぜ酒蔵?と思われるかもしれませんが、決してお酒が好きだからといった理由だけではありません(笑)

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今回見学に行かせて頂いた「美吉野酒造」さん。

こちらの酒蔵では木樽を使った酒造りをされています。

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また、今回お話いただいた杜氏の橋本晃明さんも吉野の木に魅せられた1人とのことで、林業も酒造も手を掛ける期間は違うけれど、工程や考え方が似ていると感じて、より山に興味が湧いたのだとお話いただきました。

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今回ツアーに参加された皆さま、学ばれたことが多くあったと思います。私自身持ち帰れたことも多く、大変勉強になりました。

今回ご案内いただいた、泉谷さん、早稲田さん、前田さん、橋本さん、お忙しいところ誠に有り難うございました。

(スタッフ 久保)

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