2021年Ms仕事初め
Ms日記をご覧の皆様
明けましておめでとうございます。
2021年最初のMs日記は中尾が担当させていただきます。
Ms1年の始まりは研修会(勉強会)を経て、業務へと向かいます。
今回の記事は研修会の様子です。
2021年第1回「ふみこ食堂」も開催です。
この日のメニューは「カツカレー」でした。
2021年も勝つ!という意味が込められ、縁起のいい昼食となりました。
毎日、美味しい昼食を振舞っていただいております。
研修会が始まりました。
Msではすっかり馴染んできたZOOMミーティング。しっかりと活用です。
勉強会の講師は
・Msの温熱設計顧問「水の葉設計社 中野弘嗣」さん。
①レクチャー内容
改正建築物省エネ法について
・Ms非常勤設計士として今年度より力を貸していただいている「小森正和」さん。
②レクチャー内容
永田昌民 氏(ながた まさひと)の設計手法
研修会のレクチャー内容を一部ではありますが紹介いたします。改正建築物省エネ法について
2021年4月より省エネ基準が改正されます。
建築物、住宅の省エネ性能向上が課題の一つとなっている現在
建築士から建築主に対する説明を通じて、建築主の省エネに対する理解を促し、省エネ性能を高めていこうという気持ちを持ってもらうことを狙いとして
書面をもって建築主に対して説明することが義務付けられました。
今後住まい手さんに省エネ住宅を説明するために
私たちも向上心を持って温熱設計に取り組んで行かなくてはなりません。
詳しくはこちら
「省エネ住宅のススメ」
続いて
永田昌民(ながたまさひと)の設計手法 を紹介させていただきます。
小森さんは、永田昌民さん(N設計室)での勤務経験があり、設計手法を話していただきました。
設計の世界に飛び出して間もない私ですが
こうして設計手法を聞く機会は大変刺激になり、有意義なレクチャーとなりました。
小森さんによる永田昌民さんのエピソードを一部紹介いたします。建築はプロポーションであり、それは寸法である。
という教えによって生み出されたのが上の写真。
こちらは30㎝竹尺を薄く削ったものです。
N設計室では三角スケールの代わりにこちらの竹尺を使用します。
理由は単純で、実寸ですぐ寸法が分かるからです。
また、薄くすることによって竹尺がしなり、測りやすいそうです。
常に実寸で建築を考え、これで測る癖をつけることによって寸法の感覚が体に浸み込み
形が寸法として自分の身についてきます。
この感覚を養うことによって
その寸法の空間がどうなのか把握できるようになる。という狙いです。
メジャー、コンベックスと違い竹尺は30㎝と決まっているので
常に身の回りにあることで確かに寸法の感覚は養われそうです。
なるほど・・・
1年の初めにこうして研修会の場があることで、一層気を引き締めて業務に向かうことができます。レクチャーしてくださった中野さん、小森さん改めてありがとうございました。
さて、最後にこちらの写真ですが、右側にあるのが年賀状です。
こちらの年賀状はいつもMsの造作家具を作って下さるZOOの永田健一さんから頂いた年賀状です。
手作りの年賀状でユーモアあふれる可愛いイラストです。(よく見ると牛乳パックです。笑)
文子さんが気に入って事務所テーブルに飾っています。
2021年Ms始動です!
今年もよろしくお願いいたします
Ms中尾
年の瀬 ~ 糸井さんの陶芸教室と、今年最後の「ふみこ食堂」
12月24日クリスマスイブの午前中は、ご近所、吹田市山田にあるカフェにて、陶芸家・糸井康博さんの陶芸教室がひらかれました。
先月からこのカフェにて出張教室が始まったことを、なんと、Ms住まい手さんOBの山脇さんからお聞きしたのです。そこには、やはりMs住まい手さんOBの松本さんも来られているとのことで、急に私も行きたくなって糸井さんの生徒を志願した次第です。
と言いますのも、来年完成する、吹田市ご近所のT,K邸の壁に、陶板を一枚、埋め込みたいと密かに考えており、その陶板をつくりたいということと、
合わせて、山脇さんや、松本さんと一緒に陶芸をするのは、きっと楽しいだろうな。と思ったからです。
(会場のアラウンドカフェ)
会場のカフェは、Ms(正確にはMSD)OBの日野弘一さん代表の、WASH設計室に併設している「アラウンドカフェ」
https://www.wash-arch.com/araundcafe/
手作り感のある、とても居心地のいい空間です。ペレットストーブで暖かく、和気あいあいの会話と共にそれぞれ制作に取り組みました。(右が陶芸家・糸井康博さん)
先生の糸井さんは、私が大阪芸大の建築学科で非常勤講師として教えていた頃の学生で、大学では建築を学び、卒業後、有名な陶芸家に師事し、いまや伝統工芸展に何度も入選する陶芸家です。大阪・東京の有名デパートで展覧会を毎年開催しているのですが、今年はコロナ禍で展覧会を開いても「さっぱりお客が来なくて・・・」としんみりした話になりました。コロナの前は海外の観光客が購入してくださったのだそうですが、それも皆無になり・・・
そんな糸井さんを優しく励ましました。
(黙々と制作する山脇さん)
(オブジェを制作中の松本さん)
私は、糸井さんの作品を、よく贈り物に使います。今年も、MsOBの平賀基香さんが、めでたく結婚し、そのお祝いに糸井さんの「倭シリーズ」のお皿を贈りました。
私はいつも「器を頂くと、使うたびに、くださった人を思い出すもの。」と言って、糸井さんに頼みます。
例えばこの大皿は、建築家の竹原義二さんが、39年前に私たちの結婚のお祝いでくださったもの。使うたびに、竹原さんを思い出します。
これは、Ms住まい手さんの山脇さんが、プレゼントしてくださったコーヒーカップ。
糸井さんの陶芸教室の成果です。独特の模様と温かい色味がとても気に入って、日曜日の午前中、コーヒーを頂くのに毎週使っています。
カフェの陶芸教室では、「だから、毎週、山脇さんを思い出しているんですよ!」といって大笑い。
糸井先生の器は、たくさん使っていますが、最近、毎週のように使うのが、このお鉢。寒くなってきて「ふみこ食堂」に豚汁やおでんなど、汁物がよく登場するのですが、その時の器です。
(この日はブリ大根)
今年、コロナ禍でできたことの一つにMsの「ふみこ食堂」があります。
「ふみこ食堂」は、週にほぼ3日、開店しています。
かれこれ20年以上前、熊本の新産住拓さんを訪問した際に、先代の小山社長が、会社の社員食堂でご馳走してくれました。地場の野菜中心の健康食で、私もいつか暇になったらこんな、まかないのおばちゃんをしたいな。と憧れていたのです。暇になったわけではありませんが、リモートで会議やセミナーが可能になり、外出が無くなったことから、その時間を料理に使うことができるようになりました。
夢がコロナで実現した・・・といっても良いですね。
献立や段取りを考えたりする時間が、実は、格好の息抜き・気分転換タイムになっています。
そして器を選ぶことも気分転換になります。
12月28日。今日はMsの大掃除の日。この日は毎年、事務所ではなく自宅での「ふみこ食堂」 大掃除の日は、簡単に ハッシュドビーフ、育ち盛りの若者がいるので、牛肉を奮発しました。
来年も、笑いのある1年に。みなさま良いお年をお迎えください!
(三澤 文子)
2020年の"変化" ~Ms設計スタッフ5名を紹介します~
12月も後半に入り、本格的な冬の到来を感じる季節になりました。
今年も残すところ2週間、皆さまご多忙の時期かと思います。
今回のMs日記は、上野が担当です。
いつもとは少し趣向を変えて、リラックスモードでお届けいたします。
テーマは、2020年の"変化"です。
今年は、春先からのコロナの影響は大きく、まさに現在進行形で変化しつづける毎日です。
Ms事務所でも、この1~2年は特に変化が多い時期で、一つの潮目を迎えているように感じます。
今年を振り返ってみると、
文子さん食堂(文子さんにつくって頂くスタッフの昼食!メチャ美味い!)や、
web会議部屋ができたこと、
仕事の巾が広がったこと、
働き方の多様化などなど、
ご紹介したいことが盛りだくさんです。
文子さんお手製ランチ=文子さん食堂の様子
その中でも、やはり大きいのは"人"の変化です。
この1~2年で、新しくMs事務所に加わった仲間も多く、
今年は皆さまに直接会う機会も少なかったため、Msの設計スタッフ5名の自己紹介をしてみようと思います。
本人のコメント&写真付きです!
お気軽にお読みください。
■中尾瞭允 Nakao Akichika
トップバッターは、中尾君です。
本人に送ってもらった、写真がカッコよすぎです。(笑)
社会人1年目だった私にとって2020年は、大きく環境が変化した1年でした。
住宅建築の楽しさ、難しさに少しずつ触れることができ、
社会人として緊張感をもって業務に携わることができて、貴重な1年となりました<本人コメント>
⇒コメントは、とっても誠実です。(笑)
入社後すぐにMsの仕事に慣れてくれて、理解力のある中尾君。
チームに新しい風を吹かせてくれる、期待大のルーキーです!
■村上洋子 Murakami Yoko
2番手は、洋子さん。
リモート&非常勤スタッフとして、Msの仲間入りをしてくれました。
写真は、天使のほほ笑み?です。(笑)
1月からリモートワークを開始し、
限られた時間で規則正しく仕事をする環境づくりを心がけるようになりました。
夜型で早起きが苦手だったのに、いまでは6時起床、25分からのテレビ体操が日課に。
変われるものです!<本人コメント>
⇒ 普段は、愛媛県松山市にて在宅ワークの洋子さん。
月1度、Ms事務所に来阪する際、事務所全体が明るい雰囲気に一変します!
オフトークは、8割方、健康トークです。(笑)
いつも率直に、飾らないお人柄で、チームを元気にしてくれます。
■濱田由利香 Hamada Yurika
3番手は、濱田さん。
写真は、癒し系(若干、ほろ酔い?)の一枚です!
建築に足を踏み入れ、一年半が過ぎました。
40歳になっても、初めてのことばかりの毎日です。日々精進!!<本人コメント>
⇒ 気配り上手で、てきぱき要領の良い濱田さんです。
京都造形芸術大学で建築を学びながらMs事務所で勤務しています。
(2足のわらじです)
みんなの至らない点をフォローしてくれて、チームに安定感が加わりました。
■宮本岳拓 Miyamoto Takehiro
4番手は、木が大好き、宮本君です。
大好きな薪ストーブとの2ショットです!
本人は、とっても忙しい時期につき、上野が代わりにコメントです・・・(笑)
今年は、自分の仕事だけでなく、周りへのアドバイスを沢山してくれて、
みんなから大感謝されていると思います!!
仕事の難易度がぐっと上がった分、大変でしたが、バリバリ仕事をこなして、
とってもパワーアップした一年でした。
■上野耕市 Ueno Koichi
5番手、ラストは上野です。
写真は、不慣れな"自撮り"で斜めを向いている&逆光の一枚です、すみません・・・。
出張先で借りているアパートの裏手は、レモン畑です!
今年は、一年間、あるプロジェクトで瀬戸内海の現場に通いました。
コロナもあり、Msの愛車=真っ赤なステップワゴンで往復すること、約50回!
週の1/3は、現場にて力いっぱい仕事しました。
ご縁があり、社外のたくさん仲間と一緒に仕事をするなかで、とっても刺激を受けました。
『建築づくり=チームづくり』という意識が強くなった一年でした。
※仕事の中身については、来年、施設がオープンした後、しかるべき時期にご紹介できればと思います
実は今年は、
社外にもたくさんのご縁があり、
Msの仕事に参画してくださる、素晴らしいメンバーとの出会いがありました。
こちらは、来年以降、他スタッフ&プロジェクト紹介のなかで、お伝えしていければと思います。
年齢や、これまでのキャリア。
価値観や、ワークライフバランスを含め、とっても多様化してきたMsチームです!
先が読めないこの時代。
個性豊かなMsメンバーで、適切なチームを組んで、より良い建築をつくっていきたいと思います。
上野耕市
詳細調査〜築22年の木の家、長く住み続けるために
非常勤&リモートワークの村上です。先日、堺市で行われた詳細調査に参加しました。22年前にMs事務所が設計した木の家です。住まい手のKさんから、長く住み続けられるように改修と増築を考えていると三澤にご連絡をいただき、調査する運びとなりました。
手刻みでつくられた木の家は、Kさんが大切にメンテナンスを続けられ、22年の時を経て落ち着いた暖かさがありました。小春日和の気持ちの良い日で、2階のリビングには柔らかな光があふれています。つい調査をやめてくつろいでしまいたい気分になってしまいました...。
Kさんから届いた改修プランを元に作った調査内容です。
・劣化対策・・・22年の経年による劣化の確認
・断熱性・省エネルギー性・・・断熱性能と使用家電の確認
・耐震性能・・・増築のための現状の耐震性確認
・防火、バリアフリー・・・防火性能と室内の段差や開口部の確認
経年による劣化の補修に加え、冬に寒さを感じるとのお話から、断熱補強をしっかり行うことになります。この住宅には断熱材が用いられていますが、22年前は現在のように断熱性能を計算して断熱材を選定していませんでした。寒さを感じる原因は「すきま風」など気密性能とも考えられるので、気密測定を行い、温熱環境の現状把握からのスタートです。
劣化調査では、体が入らない場所はファイバースコープを使って確認します。床下の担当は中尾さん。
気密測定は、温熱の専門家でMs事務所がお世話になっている中野さんが担当。この測定器で建物の「すき間」の面積を計ります。
中野さんのサーモカメラで、全ての部屋の表面温度を確認。温度の低い箇所が一目瞭然です!
Ms日記を楽しみにしてくださっているKさんは、日記を通して私たちスタッフのことをご存知で、調査の合間に「日記を読んでいます。お名前はどちらさまですか?」と声をかけてくださいました。今までにないことですごく嬉しく、おかげで最後まで気持ち良く調査を進めることができ感謝しています。
そして、この調査で最も嬉しかったこと、それは...
住まい手のKさん親子も調査を楽しんでくださったこと。
お嬢さんはこの木の家で生まれ育った、「Msネイティブ」。そして現在、大学で建築を学ばれているのです!!中野さんの気密測定では、目貼りをするなどアシスタントをしてくださいました。
建築家を目指すお嬢さんにとって、生まれ育った家の改修と増築が、一つの大きな節目になることは間違いありません。この意味でも、このプロジェクトには喜びがあります。これから調査報告書を作成、2月に報告会を行います。完成までの一つ一つのプロセスがお嬢さんの学習の一部になるといいなと思っています。Kさん、どうもありがとうございました。報告会でお目にかかることを楽しみにしています!
住まいを彩る建具に注目!!
気づけばもう12月。今年も終わりが近づいてきました。年々月日が経つのを早く感じます。
大掃除の時期もやってきます!!
普段、家の中を見回すと窓まわりや、扉にはそこまで、目が向かないものです。
部屋の中に埋もれているというか、一体と考えがち・・・。しかし、家にはなくてはならないもの。
そんな、扉や窓まわりの建具に注目してみたいと思います。
最近、仕事の中で、建具表を作成する機会をいただき、建具が気になるようになりました。
建具表とは、収納扉や窓まわり、部屋の扉、玄関など住まいに使用する建具の仕様をまとめた表です。
建具表を作成する中で、そのデザインや機能性に触れ、住まいにおける建具の存在の大きさを感じるようになりました。
Msでは、木の住まいに合うオリジナルの建具を作成しています。
ここで、Msの建具を一部紹介したいと思います。
写真の引き戸は樹脂ガラスとタフトップを組み合わせたものです。
樹脂ガラスなので軽くて割れにくく、お手入れもしやすくなっています。
タフトップは、破れにくく水にも強い素材で、指でつついても破れないすぐれものです。
和紙のような優しい光を通し、断熱効果もあります。
住まいによって格子のデザインは異なります。
格子のデザインが変わることで、雰囲気もガラッと変わります。
引手もシンプルでさりげないデザインです。建具デザインの邪魔をしません。
こちらはタフトップを使用した建具です。和紙と変わらない素材感です。
次の写真はシナ材の引き違い戸です。白い部分は、コンクホワイトという、木目が映える塗料を塗っています。
優しい白で、空間のアクセントになります。
半透明の建具が入っているのは食器棚です。半透明の部分はポリカツインという素材を使っています。
ポリカツインは、断熱、保温性に優れていて、ガラスの10倍の強度があります。耐熱強度もすぐれています。
こちらも軽量なので、建具を動かしやすくなっています。
完全に隠さず何が入っているかほんのり分かるようになっているので取り出しやすい収納です。
断熱・保温性もあるので、浴室の建具にも使用しています。
浴室に使用している写真です。中は見えにくくなっています。
こちらは玄関の例です。格子がデザインされた濃いブラウンの建具は、品のあるモダンな玄関を演出しています。
建具は機能性だけでなく、空間をより素敵に見せてくれることがわかります。
開け閉めするだけでなく、その佇まいを楽しむことで、生活が少し豊かになるのではないでしょうか。
住まいに彩りを加える建具にぜひ注目してみてください。
Msスタッフ 濱田