2016年11月アーカイブ

MOKスクール:秋の岐阜ツアー(1日目) 2016年11月24日

紅葉の美しい11月下旬。MOKスクール秋のツアーで岐阜県を訪れました。

岐阜県というと東濃地域のヒノキを思い浮かべる方も多いかと思いますが、今回はスギの名産地である中濃地域:長良川流域への旅です。

総勢28名。製材所から最新木造建築まで幅広い取り組みを見て回りました。

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初めに訪れたのは可児市にある(株)小林三之助商店です。創業明治41年の老舗中の老舗です。

ここでは創業以来、鉄道用の枕木(まくらぎ)が主力製品です。コンクリート製に置き替える同業他社が多い中、木材にこだわり続けて100余年。今では全国シェア7割を占めるに至っています。

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上写真:足元の黒い材が枕木(まくらぎ)です。

ご説明頂いた大野さん(写真中央)によると、生産量はピーク時に比べると減少しているが、今でも年間約20万本!がつくられているとのこと。ものすごい量です。

木口割れを防ぐためのリング打ち、薬剤を注入するためのインサイジング(刺傷)加工など、普段聞くことの出来ない貴重なお話を頂きました。

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左写真が「雑(ざつ)」と呼ばれる枕木用の広葉樹です。

ケンパスと呼ばれる南洋材が多いそうですが実に多種多様な樹種が用いられています。広葉樹のなかでも貴重な「栗」は別格とのこと。右写真のように分けて管理されています。

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Msがいつも発注しているのはこの栗材をフローリング加工したもの。

針葉樹と異なり、栗は「一本もの」の長い材をとるのが非常に難しいため、欠点箇所をカットし短尺にしてフローリングを製作することが多いです。(※「ユニ」と呼ばれています)


小林三之助商店では、この他にも木製パレットや木製杭までも作成。残材は隣地にある大手製紙工場に持ち込まれます。環境の時代にふさわしい循環型システムが構築されていました。


続いて訪れたのは美濃市にある「岐阜県立森林文化アカデミー」。全国でも珍しい林業から木造建築までを学べる公立の専修学校です。

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説明を頂いたのは、木造建築講座で材料を専門に教鞭をとる吉野先生。この学校にしかない、実践的な教育プログラムにみんな興味津々です。

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その中でも目を引いたのが学生自らが設計から施工までを行う「自力建設」。上写真はその建設現場です。意欲あふれる造形にみんなの話も弾みます。

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施設群も見どころ満載です。

左は構造設計者:稲山正弘氏による「森の情報センター」。丸太の架構が圧巻です。右は「オープンラボ(公開試験場)」。地域に開かれた試験場で、Msを含め県外からも多数の企業が実物大試験を依頼しています。


まだまだ大学で木造建築を学ぶ場が少ない中、森林文化アカデミーの取組はまさに先駆的かつ実践的。地域にも開かれています。

社会人入学者が多いのも特徴で、ツアー参加者の中には「今すぐにでも入学したい!」との声も聞かれるほどでした。


次は長良川をさらに上流へ。

郡上市に位置する「白鳥林工協業組合」の見学です。主力製品は長良杉パネル」です。

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上写真は、パネルになる前の長良杉の挽き板です。

巾は10センチ内外で集成材より広く、無垢材に近い風合いがあります。

戦後の拡大造林で植えられた50~60年生の杉、そのなかでも直径26センチ程度の丸太(中目材)が良く用いられているとのこと。


これらの材を、木表(きおもて)・木裏(きうら)を交互に、かつ、色目や反り・節の有無などを見極めながら配置するには熟練の技術が求められます。

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職人さんがまさに一枚一枚吟味し、手仕事に近いかたちでパネルがつくられていきます。


10年程前までは、真冬の豪雪時にも出来る「屋内作業」としての意味合いがあったとのことですが、現在は注文が増え、一年中対応するために専門の部署が出来ています。

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Msでは一軒の住宅にこの長良杉パネルを30~40枚使用します。本棚、カウンター、間仕切り壁から家具まで用途は様々。「現代の木の住まい」にぴったりの製品です。


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美谷添社長、石ヶ谷様はじめ白鳥林工の皆様、ありがとうございました!


長かった一日が終わり、宿へ。宿は岐阜市の「十八楼(じゅうはちろう)」。

これまでのMOKスクールツアーのなかでも最上級の温泉宿です。

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宴会では、美濃市で古民家を活用した地域おこしを行う「一般社団法人インク」の中島明之氏が活動を報告してくれました。設計業務の枠にとどまらず地域の中に自ら飛び込んでいく中島氏の姿勢に賛辞が送られました。


駆け足で各地を見て回った一日目。温泉と長良川のせせらぎで旅の疲れを癒します。


二日目は、岐阜市内の名所やMs・MSDの実作、最新の木造建築を見て回ります。詳細は、後日改めてレポートしたいと思います。


スタッフ:上野

2016年度MOKゼミ神戸終了のお知らせ 2016年11月12日

11月12日(土)開催第4回MOKゼミ神戸をもちまして、今年度の講座を終了いたしました。今年度は例年に比べ新しい取り組みがいくつかありました。

【5月】Ms設計の住まい手のご自宅ラウンジでの講義開催に始まり、【7月】神戸での竣工物件見学会(2軒)と多くの方々のご協力もあり、座学を超えたよりリアリティのある講義を行うことができました。

『百聞は一見にしかず』

そんな言葉がぴったりな2016年度MOKゼミ神戸となりました。そして今回11月には、31年の時を経た三澤邸とMs事務所見学に加え、今年1月福島区に竣工したMSD新事務所『フクマチヤ』での見学会、終了パーティーを開催いたしました。例年とは一味違った環境の中で、多くの実例を肌で感じていただけたのではないかと思っております。

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三澤邸は2013年に断熱改修を行っています。改修方法をご説明し、その様子を実際に見ていただきました。冬場でも室内温度が15°を下回らないことが基本です。(災害等でインフラが途絶えた時にも15°あれば安心だからです)

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現在の日本では空き家の増加が進む一方で、高層マンションの建設が多くの場所で見受けられます。そして戸建住宅の新築着工数は減少する中、改修が国の政策も含めて推し進められている現状です。改修工事では新築以上に構造体への配慮が必要です。まずは詳細調査で建物を丸裸にし(病院でのCT検査と同じです)、構造体(架構)の補強方法は入念にチェックを行います。構造計算を行うことももちろん大切なことですが、実際に新旧の構造模型(軸組模型)を作成し、視覚的にチェックすることが非常に大事です。2次元では見えてこなかった部分が3次元になることでさらなる安全性を生みます。

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福島区のMSD新事務所『フクマチヤ』見学会。築100年長屋の改修です。

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天井に隠れていたダイナミックな梁は現しにしています。

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終了パーティーでは三澤文子手作りの料理とスパークリングワインで乾杯。

今年度もさまざまな方にご参加いただきましたMOKゼミは、来年度も引き続き開催致します。今年は参加出来なかったという方、興味のある講義のみをスポットで聴きたいという方、さまざまなカタチで参加していただくことが可能です。

来年度も皆さまにお会いできることを楽しみにしております。来年度日程につきましては、年間スケジュールが決定した段階で皆様に改めてお知らせさせていただきます。来年度MOKゼミ神戸もどうぞお楽しみに!!

来年度講義へのご要望やお問い合わせ等ございましたら下記電話またはメールにてお受けしております。

電話)06-6831-5917

メール)info-ms@ms-a.com

MOKゼミ神戸事務局担当 中根

尼崎T邸竣工いたしました② 2016年11月08日

9月に竣工報告させていただいた尼崎のT邸。

(尼崎T邸竣工いたしました :2016年9月 6日)

引渡後にお時間をいただき、植栽工事を行いました。

今回植栽をお願いしたのはMsではお馴染み、春蒼園の尾崎さん

住まい手のTさんご家族と実際に植える木を見るため、尾崎さんの畑へ

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ご主人のお仕事柄、植栽に詳しく入念に見られていました。

樹木の配置を考える中でも、落葉と常緑では意味合いが違ってきますし、

樹木の枝ふりや葉っぱの付き方でも印象はガラッと変わります。

画竜点睛とまでは言い過ぎかもしれませんが、それほど住まいに大きく影響することは

間違いありません。

工事は後日、住まい手さん立会いのもと行いました。

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想像していた通りのバランスかどうか植える前に配置して確認し、植えていきます。

植栽の他、御影石の踏み石や土留めなども一緒に工事して頂きました。

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接道する北側道路面には4m程の株立のアオダモ(写真奥)とアズキナシ(写真手前)を

植え、住宅街の景観に寄与しています。

外壁の杉板と白い壁とのコントラストがとても合っています。

自然素材の家にはやはり植栽が欠かせません。

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南庭の様子です。

手前からシラカシ、エゴノキ、オリーブ、ヤマボウシ、クロモジ、ヒメシャラと植えて

います。

オリーブはもともと敷地に植えていたもので、移植と剪定でスッキリしました。

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すくすく育つ樹木のように、Tさんご家族と住まいの成長をこれからも願っています。

スタッフ戎野