木の住まいをデザインする建築設計事務所

2016年8月30日

千里山の家 -改修工事-

棟上げからちょうど4ヶ月が経ち、千里山の家が竣工いたしました。

住まい手は雑誌を見てMsのことを知ったとのお話をお聞きしています。偶然にも同じ吹田市内に位置するMsを見つけたところから今回の改修工事がスタート(ご縁)です。

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前回Ms日記報告と同じアングルからです。既存構造材を活かしながら構造補強を行い、大幅に耐震性能をアップさせています。そして約50年前の建物ですから、改修前の温熱環境はもちろん無断熱状態。高性能断熱材を十分に充填し気密(防湿)シートと併せることで、真冬(2月頃)でもエアコンを使用せずに室温15度を確保するレベルまで引き上げています。

参考値:UA値 3.70W/m2K → 0.64W/m2K、Q値 10.17W/m2K → 2.12W/m2K

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今回は改修工事のため真壁仕様ではなく、大壁仕様を主体とした空間になっています。天井は赤味を揃えた杉板が美しいです。

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シエスタソファはMs定番カラーを気に入っていただき、赤色を採用しています。ブランケット類をソファ下部に仕舞うことができる引出付きです。

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キッチンは引出し収納の量や大きさ、タオルバーの巾・高さ・径まで細かい部分まで全てヒアリングを行い、住まい手の使い勝手に合わせてカスタマイズ。ステンレスとキッチンパネル(白)の組み合わせがすっきりとした印象となっています。

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屋内物干室は一部増築(4畳程)です。こちらも住まい手の身長に合わせて物干竿受けを取り付けました。現在の仮住まいでは手が届きにくいのだとか・・・そのため通常より低めの高さにしています。雨の日も気にせず干すことができるため、今後の活躍に期待です。

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玄関ホールではケヤキの八角柱がお出迎え。リビングへと続く李朝風引戸はMs定番の一つとして空間にアクセントを与えてくれます。階段下が空いているのは・・・もちろんルンバ君の通り道です。

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2階の勾配天井は全て垂木・Jパネルが現しとなり、木の香りが心地良い空間です。DSC_0587

換気窓を設け、夏の暖気をこちらから排出します。近年の暑さを考えるとマストな設備です。

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今回寝室の床板にはサワラを使用しています。程よい堅さと柔らかさを併せ持ち、誰でも裸足になりたくなる足触りは最高です。鳥取大山まで検品・仕分に行き、良材~並材まで使用する場所に優先順をつけることで満遍なく張っています。

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新旧の対比です。既存建物下屋部分が斜面(道路側)に近接して建っていたため、大きく減築をしています。そのため改修後の外観はすっきりとしたカタチに変わり、構造体(架構)も整えられました。下屋の上に載っかるようにして設置されていたベランダは雨漏りにより構造材・内部天井は朽ち果て被害は甚大でした。改修後は吊バルコニーとして再生し、軒下に取り込むことで雨からも守っています。

50年大切に守り、繋いできた住まいをさらに50年先まで繋ぎます。これこそ住宅医の仕事と言えます。

スタッフ 中根