2012年10月アーカイブ

長久手市I邸-木配り 2012年10月27日

先日着工しました愛知県長久手市の現場順調に工事が進む中、今回もプレカット打ち合わせ&木配りを行いました。

今回のプレカットはいつもお世話になっている松阪市のコウヨウさんです。


工務店のスタッフ、棟梁を含めて打ち合わせ。

木の住まいは構造材はもちろん、継手・仕口も化粧で見える部分がでてきます。緊結金物:Dボルトも位置や向きを確認し、きれいに見えるように納めました。今回は通常の加工では対応できない特殊な部分も多く、打ち合わせの時間は3時間を超えました。

 

打ち合わせの後は木配り。

今回の材料は岐阜県白鳥町の白鳥林工さんに用意していただきました。写真は桧4寸角の柱材です。きれいな桧の肌が艶々しています。

基本的には節のある材料ですが、全く無節の面もあります。図面をにらみ、70本の柱の中から選んで配置をしていきます。

 

こちらは杉の梁材。赤味の多い良材です。

事前に含水率も測定してあり、20%前後に乾燥していますが、長さ6mの材料はかなりの重量です。持ち上げる際には腰に要注意。

 

 

いつも通り、配り終わった材には番付を行っています。


こちらは桧の屋根垂木。6mの材料が36本あります。

きれいなものからよく見える場所に配りました。


今回の大黒柱:栗の8寸角4M材です。このサイズの栗材はなかなかありません。

床から吹抜けの天井まで、部屋の真ん中にドンと立ちます。

今回の構造材の材積は約25㎥と材料の量も多かったです(通常は40坪前後の住宅で15㎥前後)が、順調に木配りを行うことができました。建方が楽しみです。

 


現場では基礎の工事が進んでいます。

鉄筋を組み終わって、コンクリート打設中

 


基礎は2段になっています。コンクリートはこのあと3回打設します。1階の面積が140㎡くらいあり、土留めを兼ねて立ち上がり基礎が高い部分もあります。かなりのコンクリート量になるでしょう。

基礎の完成を待って、建方を行う予定です。


スタッフ 田尻

富士市S邸 漆塗りに行ってきました 2012年10月19日

Ms日記でも何度か進行状況をご紹介しておりました、富士市S邸の漆塗りに行ってきました。

  

沢田欣也さんに富士まで来ていただき、現場で漆塗り、柿渋+ベンガラ塗装を行いました。

スタッフは、沢田さんの漆塗りのお手伝いと、柿渋+ベンガラ塗装を行う部分の塗装を行います。

 

今回は、現場の塗装工事のタイミングと併せて、養生がしてある状態で行います。

漆の着色塗装のタイミングとしては、塗装工事の時期が一番最適です。

  

まずは、現場にて塗装箇所の再確認を行います。

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写真は三澤文子さんと、沢田欣也さん。あ・うんの呼吸で打ち合せを進めています。

着色塗装は、室内のポイントに持ってくると、独特の存在感で空間がぐっと締ります。

その一方、一度塗ったらもう戻れません。そのため、最終的な塗装範囲、色を空間全体の状況を見て判断します。

 

塗装範囲と色が決まると、養生に入ります。

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この日の富士市は、とても良い天気で、湿度が30%。

とても気持ちいい天気ですが、70%の湿度が必要な漆塗りにとってはとても悪条件です。

そのため、マスカーである程度のスペースを囲ってしまい、ムロを作ります。

写真はトイレの入り口を閉じた様子です。

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この中に濡れタオルを入れて湿度を確保します。

これが塗装に使う塗料と道具です。

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養生が終わると、順次塗装を開始します。

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1日目に、ベンガラ+柿渋で着色塗装を行い、時間を空けて1回目の漆塗りです。

翌日に午前中2回目、午後3回目の漆塗りを行い、全行程が完了します。

合計2日の塗装工事となります。

漆塗りのほか、フラッシュ建具や柱、解体前のお宅の障子を転用した建具にも着色塗装を行っています。

玄関のポーチの八角柱も塗装しました。

スタッフも塗装を何度も経験し、慣れた手つきで作業を進めています。

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写真は、転用障子です。

現在の開口部に合うよう、四周に新しい杉材で枠を作っています。

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この建具にベンガラ(紅)を着色した写真が下です。

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ぐっと締って、独特の雰囲気が出ました。

住まい手のSさんもとても喜んでくださいました。

作業が終わった15:00頃、沢田さんは小松に向けて出発です。

車に道具を積んで、帰られました。

白い車が沢田さんの愛車です。とても味わいのある年期の入った車でした。

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みなさんお疲れ様でした。

(スタッフ:葉賀)

漆塗り実習に行って来ました。 2012年10月15日

岐阜県立森林文化アカデミーで行われる漆塗り実習に参加する為、

10月9・10日の一泊二日で行って来ました。

漆塗りと聞くと、食器や伝統工芸の印象が強いですが、建築にも昔から使われています。

今回講師を勤められる沢幸・沢田欣也さんのお住まいの地方も、

戦前ぐらいまでごく普通に建築に使われていたそうです。


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近年では、伝統的な建築様式や風習が姿を消していく一方、自然素材への見直しで、

都市部から漆塗りの依頼が増加していると言います。

 

漆は水や薬品などにも強く、下地さえ整えれば木に限らず、紙や鉄、樹脂にまで塗れる

そうです。

紫外線に弱いという性質を除けば、とても便利な材料です。

今回用意したモノは、唐松のフローリングと栗の名栗加工を施した板です。

(Msによる材料提供)


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その他、アカデミーの学生はそれぞれこの日のために用意した作品に塗っていきます。

 

漆に触れると皮膚がかぶれます。

かぶれないよう、塗る前の防備がまず大切です。

手にハンドクリームを塗り、その上にビニール手袋、軍手、腕貫と厳重に皮膚を覆って、

塗装開始。


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三澤さんも集中すると、無言で塗っていました。

ここでの出来栄えが、「いつかどこかの住まいで使われる」と考えると力が抜けません。


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Msスタッフも学生さんの協力を受け、150枚ものフローリングを塗りました。

プラスチックのコテで平面を塗り、ウエスで余分な漆を拭き取ることで満遍なく仕上げる

「拭き漆」は初心者でも綺麗に仕上げることができました。

塗り終えたものは、室(むろ)に入れて乾かします。

漆が乾き、塗膜を形成する為には湿度が必要不可欠で、ポットや電磁調理器などでお湯を

沸かし、部屋の中の湿度を上げて湿度を確保しています。

広い部屋や吹抜けがある現場での漆塗りは、湿度の管理が難しい場合が多いようです。


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塗ったものが乾くにつれて、少しづつ色が変化していきます。

今回使ったものは漆の木から採れた原液を濾した「生漆(きうるし)」で、漆本来の色です。

よく見る赤色や黒の漆塗りのお椀等は顔料(ベンガラや酸化鉄等)を含んだものになります。

顔料を加えればいろんな色を出すことも可能です。


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(写真は沢田さんの作品等)

 

完全に乾くまで室で保管し、一路帰路に。

完成品を、そして実際の住まいに使われた所を見るのが楽しみです。


沢田欣也さん、久津輪先生、アカデミーの皆様、この場を借りてお礼申し上げます。


スタッフ:戎野

MOKゼミ神戸10月のご案内 2012年10月12日

2012年度の第5回目のMOKゼミ神戸は、〝住み続ける「木の住まい」〟というタイトルでMOK-MSDの三澤文子さんに講師としてお越し頂きます。

「耐震構造は大丈夫か不安」「冬寒いのがつらい」などの理由から改修ではなく新築という選択肢を選ぶ方もまだまだ多いのが現状です。しかし、詳細に調査(診察)をし、補修(治療)を行えば、今の住まいも災害に強い快適な住まいに生まれ変わります。

講座では改修の事例をご紹介しながら耐震改修や温熱改修について分かりやすくお話しします。

日時 : 2012年10月27日(土) 13:30~16:30(受付13時~)

持物 : 受講費※当日現金でお支払い下さい スポット参加 2,000円/回

筆記用具、メモなど

会場:トアロード・リビングス・スタディオ

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岐阜県に1年メンテナンスに行ってきました。 2012年10月06日

昨年竣工しました、岐阜県のヨセムネ帽子の家と養老のキリヅマ。

・ヨセムネ帽子の家 http://mok-msd.com/cgi-p-japan/gallerypro/gallery.cgi?field=3

・養老のキリヅマ http://mok-msd.com/cgi-p-japan/gallerypro/gallery.cgi?field=2

竣工してからおよそ一年が経ちました。

この2軒の住まい手さんはご兄弟ですので、まとめて1年メンテナンスに行ってまいりました。

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まずはヨセムネ帽子の家。今年の夏に比べると芝生が青々と生い茂っています。

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去年のエムズ日記で作成の様子をお伝えした薪棚。今年も冬に向けて準備は万端です。

http://www.ms-a.com/post_37.html

 

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真ん中の男性が住まい手さんです。普段の生活で困っているところはないか雑談を交え

ながら確かめていきます。また、木製建具は建付けが悪くなって開きにくくなっていること

があるのでひとつずつ確認していきます。

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こちらは自慢の木の壁の浴室です。浴室にはサワラの板を使用しています。

木はカビが生えるのではないか…と心配される方が多いですが、この通り。

しっかりと設計をして施工をすれば全く問題はありません。

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現場監督がカンナを使って階段の腰壁を削っています。これは来年のはじめに住まい手

さんにお子さんが生まれるとのことで、頭の当たるところの角を少し丸めているところです。

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また、床下のチェックも行いました。床下は乾燥していて、他の問題も全くなかったので

安心です。現場監督のおなかがつっかえないかだけが心配です。

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次は少し離れたところにあるお兄さんの家に移動します。養老のキリヅマです。

過去にエムズ日記でこの家の建具のについて報告をさせていただいています。

http://www.ms-a.com/gt.html

こちらも同じようにメンテナンスを行っていきました。こちらも特に問題ありませんでした。

 

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唯一、子犬だった番犬サクラちゃんが大きくなって、家を食べるのが問題とのことです。

ちきんと家をかじらないようにしつけができ次第、補修をすることになりそうです。

こうして無事に2軒分の1年メンテナンスを終えることができました。

自分の関わった建物に住まい手さんが機嫌よく暮らしてくれているのを見ることはとても

うれしいことだと感じています。住まい手さんの生活に馴染みながら少しずつ変化してい

く住まいに、これからも関わり続けれたらいいなと思うメンテナンスでした。

スタッフ:日野