2012年05月アーカイブ

木津川の家竣工~蔵のある暮らし 2012年05月28日

昨年10月に着工した木津川の家が竣工しました。

施工はツキデ工務店さん。

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この家は住まい手のKさんのご実家に建てた木造2階建ての住まいです。

材は吉野の阪口製材所さんから。

農業を営むご両親の家の離れを建て替え、もともとあった蔵にも手を入れ、住まいの一部に取り込んだ計画です。

手前が延べ面積27坪、2階建ての新築棟(外壁/リシン吹き付け、屋根/ガルバリウム鋼板)。

奥が改修した蔵(2階建/延べ面積11坪)です。

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アプローチのしっとりとした植栽はツキデ工務店さんに紹介いただいた庭造り三宅さんのデザイン・施工です。

既存蔵の階段に使われていた御影石など上手に利用しながら、ナナカマドをメインに苔と山野草(ヤマブキ、ツワブキ、ホタルブクロ、ギボウシ、フッキソウetc・・・)をセンス良く配置しています。

 

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明治11年に建てられた農業用の蔵は長年手を入れておらず、荒れ放題。

当初、Kさんのご両親は壊してしまった方がいいのではないかともおっしゃいました。

でもKさん夫妻はこの蔵の雰囲気が好きなのでできれば残したいと。三澤も一目見て味わいあるこの蔵は残す価値がある!と、予算内で改修できる方法を考えました。

壁には穴が開き、床下の大引きは腐っていましたが、幸いにも屋根瓦と柱、梁はそのまま使える状態。

なんとか残す方向でスタートを切れたのでした。

玄関の引分戸を開けると幅6.5m奥行き1.8mの通り土間があります。

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広い土間は薪ストーブを置き、サブリビング的な空間です。

李朝風の框戸の奥がリビング。

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通り土間から蔵の入口を望んだところ。

通り土間を介して新築棟と蔵を繋ぐプランです。

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蔵の中はこんな感じです。

床は42㎜の杉板(1階)、Jパネル(2階)を張り、壁は中塗り仕上げとし予算を抑えています。

中塗り仕上げは基本的には仕上げ塗りの前工程です。

でもこのままで止めておくことも「あり」なのです。

激しくこすれば土がこぼれますが日常の生活では支障ありません。

土の素朴な雰囲気を楽しめますし、今後上塗りをすることも可能です。

柱と梁は既存のままですが、壁を塗り足す分、既存の貫の上から新しく化粧貫を打っています。

柱、梁、化粧貫はMsのスタッフで柿渋を塗りました。

材の耐久性を高めると同時に落ち着いた色味が加わります。

余談ですが、この柿渋、とってもいい臭いがします。。銀杏の臭いを強烈にしたような・・・。

塗装の日うっかりズボンにこぼしてしまい、そのまま電車で帰宅したのですが・・・もしかしたらちょっとしたテロ行為だったのかもしれません(笑)

塗装などで家作りに加わると、勉強になりますし、いろいろな思い出ができるのです。

 

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外壁も中塗り仕上げ(モルタルも配合しています)としましたが、素朴な仕上がりが結果として大成功!

開口部には新しく木製建具を入れています。

框(杉)の見付けはいつもより少し大きめに80㎜。

ぽってりした感じが蔵の雰囲気にちょうどいいです。

網戸もついているので夏は開け放し涼しい風が通り抜けるでしょう。

 

今回Kさんが蔵を残したいとおっしゃらなければこの空間は実現できなかったかもしれません。

古いものを大事にする気持ちが生んだ空間。壊されなくて本当に良かったです。

新築棟のシーンもご紹介します。

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お馴染み。の名栗加工(大阪の橘商店さん)+漆塗り(小松の沢幸漆店さん)の大黒柱です。

今回は吹き抜けに立つ柱なのでなんと5mの長さ!圧倒的な存在感なのです。

材は吉野の坂本林業さんに段取りしていただいた桧材。実は漆をかけるのがもったいないほどきれいな材でした。

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2階吹き抜けからLDKを見下ろしたところです。

ダイニングテーブルを兼ねたキッチンカウンターはブラックウォールナット。

幅50cm、厚さ5cmの無垢板を2枚使用しています。

キッチン側の床は一段下げ、テーブルに座る人と目線を合わせます。

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キッチンカウンターはステンレス。

写真で分かるでしょうか、仕上げはいつものヘアラインと違いバイブレーション仕上げです。

ヘアラインよりも1.3倍ほど値が張るのですが、マットな光り方が上品でカッコイイ。のです。

 

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自然豊かな土地に立つ新しくて古い家。

今後、のびのびと味わいを増しながら育ってくれる事と思います。

(スタッフ/西久保)

MOKゼミ神戸2012-6月のご案内 2012年05月28日

2012年度第2回目のMOKゼミ神戸は、鳥取県智頭町にある林産地の見学会を行います。昨年の講義で好評だった㈱サカモト坂本社長に、現地でお話し頂きます。

MOKゼミ神戸は一般の方を対象とした「木の住まい」についてお話しする講座です。今回は一般の方が立ち入る機会のない林産地の見学会です。是非この機会に「木の住まい」の骨組みとなる構造材の〝立木〟の姿をご覧頂ければと思います。

参加をご希望される方は下記お問い合わせまでご連絡ください。詳細なご案内、申込書をお送りさせて頂きます。

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建て方、そして屋根~静岡県富士市 S邸 2012年05月18日

静岡県富士市にあるS邸が上棟しました。

今回は、建て方と一連の工程にある屋根について紹介します。

  

まずは、恒例の今回の富士山から・・・

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今日も美しい富士山と、茶摘みを直前に控えた茶畑です。

富士市ならではの美しい風景にほっと一息。

 

 さて、本題です。

Ms・MSDの物件の多くは、柱・梁・Jパネルのほとんどが、そのまま化粧となります。

そのため、屋根の防水を行うまではほっとできません。

途中で雨が降ると、そのまま雨染みになる危険があるため、現場でも雨が掛らないよう、天候と養生にはとても気を使っています。

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これは構造材建て方の最終工程、屋根の垂木を入れているところです。

ヒノキの垂木が整然と並んで、とても美しいです。

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そして、屋根面にJパネルを張ります。

この野地板Jパネルは、室内側は天井仕上げであり、屋根面の水平構面を固める、とても重要な構造要素でもあります。

現場の懸垂幕は、施工を担当してくださっている建築工房わたなべさんのものです。マスコットのゴリラがとても印象的です。

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続いて、屋根に流れ桟を打ち、桟の間に断熱材であるパーフェクトバリア(白い断熱材)を押込みます。パーフェクトバリアは、繊維系の断熱材でとてもフカフカしているためどんな場所でも隅々まで押込めます。

その上にネオマフォーム(ピンクの断熱材)で蓋をします。

特に夏は、屋根面からの熱をしっかり遮る事が室内を快適にするポイントです。これだけの断熱材を入れる事は、快適な室内温度を確保するためにとても重要です。

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ネオマフォームの目地に専用の気密テープを張ります。

その上に通気用の桟を流していきます。

とても天気の良い日で、スカッとするような青空が広がっています。屋根の作業には絶好の一日です。

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この通気桟は、

・間に空気を通して屋根内部を健全な状態に保つ

・夏には直射日光で温められた屋根内部の空気を一番高い部分の棟から抜くことで厚さが室内に伝わる事を緩和する

のに重要な役割を果たしています。

通気用の桟の上に屋根の板金仕上げの下地となる野地板を張っていきます。

S邸では、住まい手さんの山の木をふんだんに使っていますが、この野地板もその一部です。

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そして、ルーフィングを張ります。

ルーフィングは継ぎ目で水が逆流してしみ込まないように、下から順番に張っていきます。

考えれば当然のことですが、とても重要なポイントです。

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トップライトも取り付けて、屋根の防水が無事完成しました。

Sさんからも、「これだけ何重にも積み重ねた屋根であることに驚いたと共に、とても安心します」と嬉しいお言葉を頂きました。

(スタッフ:葉賀)

胡桃山荘完成披露パーティー 2012年05月15日

暦上では「立夏」を迎えたものの汗ばむ日もあればまだまだ肌寒い日もあり、体調管理が難しいこの頃です。

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そんな5月10日に長野は箕輪町で胡桃山荘完成披露パーティーを開催致しました。この胡桃山荘、昨夏の新宿オゾンで「鳥取みどりのちから」にて6M×6Mの実物大展示モデルを移築・下屋増築したものです。鳥取のちからはもちろん、工務店さんや各メーカーさんのご協力があって無事竣工を迎えられたので、一度皆さんに見て頂きたい思いで完成披露パーティーを開催することとなりました。北は福島、南は鹿児島!まで総勢30名を越える方々にお越し頂きました。

Msスタッフは前日入りして準備に取り掛かりました。Ms事務所では年に何度かパーティーをしているのでスタッフも準備には慣れていますが、今回の開催場所は胡桃山荘とあっていつもと勝手が違うので少々戸惑いました。が、そこは〝M印キッチン〟の本領発揮、というところです。使いやすい高さ・配置になっているのでスムーズに準備することができました。

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広い天板は作業台に欠かせません。ちなみに天板はチークです。IHコンロに吊収納、冷蔵庫、食洗機、電子レンジなどキッチン用品も完備されています。沢山のお料理に目移りしてしまいます。

パーティー当日、三々五々集まって頂いた皆さんに胡桃山荘のご説明です。新宿オゾンで展示されていた「元・胡桃山荘」を思い出しながら「現・胡桃山荘」を前に会話が進みます。

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皆さんが集まったところで、乾杯。新緑をバックにお酒も会話も弾む一方です。

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準備中の雨天と打って変わって、お天気に恵まれたパーティー。皆さんにも胡桃山荘を満喫して頂いたようです。これだけの方々が一堂に会する機会も少ないのではないでしょうか。様々な方とお話しする機会に恵まれ、スタッフとしても貴重な時間を過ごすことができました。遠方よりお越し頂き本当にありがとうございました。

今後、胡桃山荘はモデルハウスとして一般の方々にご利用頂けるように準備しているところです。詳細等は追ってホームページ等でお知らせ致します。

 

 

<< <続>>>

CIMG1167パーティー翌日は、朝から胡桃山荘にて編集部の方と打合せです。 8月号の「住宅建築」にMsの特集が組まれて胡桃山荘を含む7物件が掲載されますので是非ご覧頂ければと思います。

(スタッフ:平賀)

MOKスクール 静岡・天竜ツアー ep.3 2012年05月11日

天竜ツアー、2日目。

ツアー1日目は製材工場、天竜の森林、原木市場と「木」に関することをしっかりと学びましたが、2日目は建築と文化を学ぶツアーです。

午前中は天竜にある「秋野不矩美術館」に行きました。この美術館、設計は藤森照信さんです。藤森さんは昨年のMOKスクールに講師としても来ていただきました。

 

  

 

 

 

建物は小高い丘の上に建っています。藤森さん独特の自然素材をつかった外部構成です。

 

 

 

内部も全て自然素材の仕上げです。左官壁に自然光が当たり、その質感がきれいに表れていました。展示品の見学と建築の見学、美術館見学は一石二鳥です。

 

 

その後は登録有形文化財である「天竜二俣駅」・「本田宗一郎ものづくり伝承館」を見学しました。

 

 

天竜二俣駅の様子

 

 

鉄道に関する資料が保存され、見学できるようになっています。

 

 

 

ホンダの創業者:本田宗一郎ものづくり伝承館。建物は旧二俣町役場を改築したものです。

内部にはホンダの創業からの歴史やバイ ク・自動車の技術の変遷に関する資料などが展示してあり、ホンダのものづくりに対する思想、本田宗一郎という人間について知ることができます。

 

 

ツアーの最後に天竜川系の水を使った酒造会社・花の舞酒造さんの酒蔵を見学させていただきました。

 

 

酒蔵を見学した後に純米酒・花の舞を振舞っていただきました。おいしいお弁当とおいしいお酒に大満足です。

 

 

今回のツアーも盛りだくさんでした。木材、森林、建築、文化を一気に学べるMOKスクールツアー、次回は11月に信州:長野県にて充実のツアーを計画しています。ご興味のある方のご参加お待ちしております。

 

スタッフ 田尻