2011年12月アーカイブ

H邸10年メンテナンス 2011年12月27日

西宮市の高台に建つH邸は2002年に竣工した住宅です。

竣工後約10年が経ち、家の各部でメンテナンスが必要な時期となりました。

先日Msと工務店により、一斉点検を行いました。

 

家の内部、外部、設備など、しっかりと確認。

その中で不具合がある部分 については、このたびメンテナンス工事を行いました。

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まずは屋根軒先の雨漏です。雨が降るたび、軒裏から水が滴り落ち、軒裏の杉板に雨シミができていました。

屋根に上り確認、さらに軒裏の板をはずして確認したところ、内樋の継ぎ目のコーキングが劣化し、切れた状態となっていました。そこから水が漏れていました。(H邸では軒樋を設置せず、屋根の中に内樋を設けています。)

  

  樋のジョイント部のコーキング

 

樋を下より確認 

  

再度コーキングを打ち直して止水することもできますが、それでは同じように劣化してしまいます。

 

そこで、樋の上にFRP防水を施しました。これであれば継ぎ目が切れるようなことはありません。防水面でも長期にわたって安心です。

 

次は建具です。 

 

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木製の玄関建具、門扉は風雨にさらされかなり色あせていました。また、足元のレールが劣化し、建具の動きが悪い状態でした。

 

玄関、門扉とも既存のレールを撤去し、レールを新しく設置しなおしました。

建具の動きはとてもスムーズになりました。門扉はJパネルとチーク材を使い、新しく作り直しています。Jパネルは3層構造となっているため、無垢材に比べると反りにくく、建具にも使用できます。チーク材は木材の中で最も耐久性が高い材料です。

次は外壁です。

 

 

杉板に木部用塗料を塗っていましたが、時間の経過とともにかなり色が薄くなり、風雨による汚れが付着しています。

外壁の杉板、木製格子、木製建具を全面的にサンドペーパーを掛けて汚れを落とした上に、耐久性の高いオスモカラーで塗装しました。

 

 

 

薄く色を乗せるだけではすぐに色落ちしてしまう可能性もあるので、しっかりと白い塗料で塗りなおしました。きれいな外観はできるだけ長くもたせたいものです。

 

その他、室内の建具の紙も張り替えや調整なども行いました。

張替え前

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張替え後

 

年末に間に合うように工事を行い、住まい手さんにもすっきりと気持ち良くお正月を迎えることができると喜んでいただきました。

木の家に長く住んでいただくには必ずメンテナンスが必要です。定期的な点検やメンテナンス工事もMsの大切な仕事の一つです。

スタッフ 田尻

竣工物件の気密測定を行いました~大阪府池田市 楓の家 2011年12月23日

先週頃から、寒さが厳しくなってきました。今日は関西でも雪が降るという予報です。徒歩の方もそろそろ手袋が必要になりますね。

 

大阪市池田市にある楓の家の気密測定を行いました。 気密測定は、建物の予期しない隙間を確認する試験です。

今日はこの気密測定試験の様子をご紹介します。

 

まずは、測定器を組立てます。

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これは、室内の空気を外部に排気する送風機です。大きな扇風機のようなものです。

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この白い筒は送風機に付属する部品です。

横にあるのは、温度を測るセンサーと、風速を測るチューブです。

これを順次測定器につなげていきます。

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測定器を設置する開口部は、ポリエチレンフィルムと養生テープでしっかりと密閉します。

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換気扇はこのように目張りします。

準備ができたら、測定開始です。

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これは測定器の制御盤の様子です。

スイッチを入れていよいよ測定スタートです。

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この送風機で室内の空気を外に出し、住宅の隙間から入ってくる空気の量を測定します。

測定中は建物の中が負圧になるため、耳がツーンとします。

測定が終了すると、測定データが印刷されます。

名称未設定 2のコピー

このデータから計算して、床面積当たりの隙間を算出します。

楓の家は、

相当隙間面積(C値):2.69c㎡/㎡でした。

 

気密性の確保は、隙間からの漏気を防げるので、室内の温度むら防止や、壁内結露防止、漏気による熱損失防止の上で重要です。施工精度によっても大きく左右されますので、目に見えない性能部分の確認という意味でもとても大切な試験です。

 

送風機が回っている間に、室内に予期しない隙間が無いかも確認しました。特に問題になる隙間もなくしっかり性能が確保できている事が確認できました。

 

(スタッフ:葉賀)

木津川の家が上棟しました! 2011年12月21日

10月に着工した木津川のK邸。先日建て方を行いました。

雨が降ったり止んだり天候が定まらない中、晴れ間を狙っての建て方。空を見ながら雨雲がこちらに流れてきそうになるたびハラハラしましたが、こちらの心配をよそに大工さんたちはテキパキとても素早く丁寧に工事を進めていきます。

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材料は吉野の阪口さんから。

何度見てもきれいな材。現場で見るとより赤身が際立つような。

Kさんも「きれいですね~」ととても喜んでくださいましたし、大工さんからも「材料がいいと加工がしやすい」とのお言葉。

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写真の後ろに見えるのが母屋です。今回新築する住まいはこの母屋より高さも面積もボリュームを抑えた建物になります。1/50の模型を作り周囲とのバランスを考え計画していますので、建ててビックリ!などということはありません。

母屋と反対側には明治初期に建てられた蔵があり、玄関土間からアプローチできます。

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塗りこまれた入口がいい雰囲気ですね。

奥さんから「この入口の手前にアンティークのペンダントライトを吊りたいんです」と。

素敵です!雰囲気あるいい空間になりそうな予感!

照明計画といえば、いつも上棟の時期に現場で住まい手さんと打合せをします。

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実際空間が建ちあがるとイメージが掴みやすいです。照明に限らずこうやって様々な仕様を現場で決めていきます。

今回ツキデ工務店さんのお仕事は本当に早く、建て方の次の日には屋根通気の横桟、断熱材、合板まで一気に施工完了しました。屋根仕舞いが早くできると一安心です。

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断熱材はネオマフォーム75mm(50+25)。屋根勾配と平行に通気桟を打つ時はいいのですが、直行する時は通気のために横桟をしゃくってもらいます。

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たくさんの通気じゃくり。施工図を書く時はCADで簡単ですが、実際の作業は大変(というか面倒)だと思います。。職人さんには本当に頭があがりません。

さて、無事上棟したので現場では略式の上棟式を行いました。

記念写真をパチリ!みんなが違う方向をみているのは私の隣で築出社長が立派な一眼レフカメラを構えていらしたから(負けた~)。社長自らカメラマンをされる工務店さんは初めてかも。気さくで素敵な社長さんです。

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上棟式は現場の大工さん、住まい手さんがこれから一緒に家作りをしましょうという気持ちをお互い確認するいい機会だといつも感じます。省略するケースも多いと聞きますが、もったいないことです。

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最後にK邸の主役、桧の大黒柱。4.8m、漆塗り、名栗加工の大黒柱です。

Kさんのご主人が「この養生はいつ取れるんですか?もう取りますか?」と早く見たくてしかたない様子。気持ちはよく分かりますが・・・。

Kさんもうしばらくお待ちください!桜が咲く頃にはお披露目です。

(スタッフ:西久保)

梁の曲げ試験を行っています。 2011年12月16日

12月も折り返し地点ですが、岐阜県美濃市では晴れの日の日中はまだ暖かく感じられます。

 

森林文化アカデミーの施設にて、梁の曲げ試験を行っています。

まずは朝の準備体操から・・・

準備体操中 

早速、試験のほうに取り掛かります。写真は幅12cm、高さ30cm、長さ4mの梁です。材料はスギです。スギは木材の中でも軽い材料ですが、ここまで大きい材料は重さが50kgほどにもなり、一人で運ぶのは大変です。

材料運び材料を試験機へ  

試験機はMSD美濃のスタッフが操っています。

作業中

梁が下の写真のように削られているのは、Msの住宅のように、在来軸組工法の建物の骨組みを造るときに梁同士を木組みでつなぐため、このような切り欠き加工がしてあります。

試験前の梁

試験は梁の上から2点で荷重を加えていきます。徐々に荷重を大きくしていくと梁の中央部分がたわんでいき、加工部分に割れが生じたりします。

試験中の梁

最後は荷重に耐えきれなくなり、写真の様に切り欠き部分から折れてしまいます。材料に切り欠き加工があることにより、加工無しの材料と比べると弱くなってしまいます。建物の構造設計を行うときには、このような切り欠き加工を加味して設計をしていきます。

試験後の梁

木材は自然素材なので、木材一本一本の節の具合や木目などの表情が違うのと同様に、強度も一本一本違います。強い材料もあれば弱い材料もあります。それは試験をしなければ分かりません。

試験が終わった材料は電動のこぎりなどで切断していきます。試験を行う材料が多いので大変な作業になります。

解体中解体中2 

梁は木造住宅の非常に大切な部分です。試験を行うことにより様々な設計に活かされ、よりよい木造住宅が建っていったらいいなと思います。

(スタッフ:木下)

詳細調査に行って来ました。 西宮市T邸 2011年12月14日

近年、既存の建物に手を入れるリフォームのお話をいただくことが多くなってきました。

「作っては壊す」から「作ったものを活かす」時代へと変わってきた世の中の動きもあって、当然のことかもしれません。

今ある住まいを活かしていくためには、まず「知る」ことから始まります。

リフォームの前段階で、建物の性能を多角的に分析する詳細調査を行うことは、設計の手掛かりにするだけではなく、改修を住まいの一経験ととらえた時に、その履歴を残していくことが重要になってきます。

ということで、先週12月9日に西宮市にあります、T邸の詳細調査に行って来ました。

調査を行ったのは昭和4年に建てられた平屋で、2度の増築を経て、2階建ての住まいになっています。

昭和四年に建築家の手により建てられたそうで、とてもモダンなお住まいでした。

外観

内観

 

多岐にわたる調査の中から今回は設備診断について少し書かせていただきます。

主には、電気・給排水・ガス等の建物の一部である設備部分を対象としますが、テレビやエアコン等の家電・光熱費等も調べておきます。

そうすることで、改修前と後で電気代の増減を調べたり、履歴を残すことが出来るからです。

設備診断において最も力を入れるのが給排水設備です。

実際に水が流れたりする配管は、物が詰まったり、配管が抜けたりとメンテナンスが必要になってくる部位だからです。

長く住まいを使っていただくためには、メンテナンスを前提に考えておくことが必要です。

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診断の為に、床下に潜って配管を調べたり、実際に水を流して桝の接続を見ては、現場を行ったり来たりと、なかなか大変です。

設備配管はやり替えたこともあり、とても綺麗でした。

床下も広く、配管の交換が容易に行えるだけの床下高さも確保されており、とても古い住まいであることを忘れてしまいそうになります。

調査を経て、一冊の診断書にまとめて住まい手さんにご報告します。

そのために、設備の診断書を頑張ってまとめたいと思います。

(スタッフ:戎野)